会員の近況報告(〜2007.07)
■もうそろそろ明けてもいいのに・・・と思うが、なかなかすっきり明けない。今年の梅雨明けは遅くなりそうだ。この週末は夏山(その1)として御嶽山を予定していたが、残念ながら雨の予報!仕方なく延期とするが、代替案を考えねばならない。 週末予報によると西日本で晴れマークがあるのはなんと鹿児島、宮崎だけである!・・・・・・南九州に行こう、ということで無難なところで霧島とする。久しぶりの霧島だ、未知のルート・・・・そうそうなかなか訪れるチャンスのない夷守岳方面に行くことにしよう・・・・ついでに軽めのボッカもやるか!ということで山中1泊2日の山行、泊まりは適当なところでビバーク(夏だからごろ寝)とする。 |
07/21: 駐車場(06:00)〜登山口(06:10/06:30 朝食)〜夷守岳(08:50/09:10)〜丸岡山(10:00)〜大幡池(10:30/10/45)〜大幡山(11:05/11:35 昼食)〜獅子戸岳(12:40/12:50)〜ビバーク地(13:05) 07/22: ビバーク地(05:45)〜韓国岳(06:50/07:10)〜ビバーク地(08:00/08:50 朝食)〜新燃岳(09:50)〜中岳(10:30)〜高千穂河原(11:20) |
07/20は、生駒高原の駐車場で車中泊。明るくなって起床、登山口へ移動する。林道の入口が少しわかりづらいがマップと照合すれば問題ない。林道をしばらく行けば数台駐車可能な空き地があり、ひなもり岳登山口駐車場(【写真左】)の小さな標識がある。 我々が一番乗りで駐車車両無し。支度して標示に従い登れば立派な林道に出る。『巣の浦林道』の標識がある。右に少し行くと案内図のある登山口である。 ここで軽く朝食をとって、06:30出発。登山口から夷守岳(1344m)までは標高差:760m、2.5時間ぐらいかかりそうだ。 登路は尾根筋につけられた直登ルートで下部は一直線、ジグザグの登りはほとんど無い。原生林に覆われているが途中、数ヶ所展望のきくところがある。又、地元山岳会の手による、標高と山頂までの距離を示す標識がこまめに付けてあり、それを追っていけばウンザリする間もなく傾斜が緩み広場になった山頂に着いてしまう。時刻は、08:50、所要時間:2時間20分、何とか人並みのタイムで登りきった。 |
登山口駐車場 | 何ヶ所か小林方面の展望がいい | 親切な標示板 |
ヤブレガサ群落の辺り・・・・開けて気分がいい | 広場になっている夷守岳山頂 |
右手には大きな韓国岳!・・・を望めるはずだがあいにく頂稜部はガスの中である。先程は小雨混じりだったが、山頂に着く辺りから日が差してきた。今日は晴の予報だったけれども、どうもすっきり晴れそうもない。 |
残念ながら韓国岳頂稜はガスの中 | 正面の丸岡山へ向かう |
丸岡山山頂(写真左)で小休止、大幡池へ向かう。山頂から、0.8kmの標示 |
かなり大きい大幡池。雨のあとだから水位が上昇している・・・吹きわたる風が心地い! |
湖畔沿いがよさそうだが今日は水位上昇の為、藪歩きもありそうなので、元の縦走路にもどる。しばらく行くと、風通しのよい疎林帯をとおる。池から吹き上げてくる風が気持ちいい。しかし風が無くなると・・・暑い、アツイ!といいながら池を巻くように進めば次第に風のよく通る尾根に出る。どうやら大幡山の稜線のようだ。かなり強い風が吹きわたり気持ちいい。時刻も11時過ぎたので30分ほど休憩、ランチタイムとする。 ここは大幡山の三角点の一つ手前のピークのようだ。右手は水は貯まっていないが火口にあたるのだろう、凹地になっている。しばし涼感に浸る。此処まで来ると獅子戸岳が見える・・・・あと1時間ちょっとかな。 腹ごしらえをしたらスタート。ちょっと下って登ると大幡山の三角点。更に進めばミヤマキリシマの灌木帯を行くことになるが、登路の両側からせり出して歩きにくいことこのうえなし・・・・半袖だから腕には多数の摺り傷が刻まれるが、我慢、ガマン、しばらくでミヤマキリシマの挟撃から解放され、ブッシュのないガレのピーク(1381m)に出る。このピーク、連山の中央に位置し眺めのすばらしいところだ。ブッシュから解放されたあとだけに気分上々! |
疎林帯は風も通り快適 | 大幡山の稜線でムレムレの靴を脱いで大休止 |
【写真上左】:大幡山の火口池 【写真上右】:ブッシュ帯を抜けると開けてくる 【写真下】:連山の格好の展望台である、1381mのピーク |
|
【写真上左】:方針が決まり笑みがこぼれる獅子戸岳山頂 【写真上右】:本日の風通しのよいビバーク地 【写真下】:獅子戸岳から望む新燃岳、高千穂ノ峰 |
ガスッぽいすっきりしない朝を迎える。昨夜は、2名が虫の被害にあったらしく体のあちこちに痕跡が残っている・・・・草地だから仕方ないか。今日は空荷で韓国岳を往復する。05:45、出発。しばらくは樹林帯を行くが、灌木帯にはいると傾斜が増しガレの流れ防止柵が現れると頂稜である。お鉢の縁を左にトラバースしていけば韓国岳山頂の標識がある。 残念ながら頂稜部はガスに覆われ眺望はない。まだ7時前だというのに、数人の登山者がある。虫にやられた話をしていたら、たまたま居合わせた地元の登山者の方から軟膏をもらう。話によれば、霧島にはムカデがいるそうな!・・・・するとこの噛み跡、ひょっとしたら、ムカデ!?・・・・。 しばらく休んでビバーク地に戻る。その頃になるとガスが薄れ暑い日が射し始める。08:00着、遅い朝食をとり、08:50、高千穂河原に向け出発。今日の予定は、高千穂ノ峰を越えて御池までだが・・・・この暑さで行く気になるかどうか? 獅子戸岳〜新燃岳〜中岳の縦走路は開けた尾根道なので概ね風通し良好であるが、中岳から高千穂河原への下降で尾根を外れるところは風がパタリとやみたまらなく暑い!後頭部をガンガン照りつける!・・・・今日も暑い!熱い!といいながら高千穂河原に11:20到着、冷たい水にありつく。 |
昨日歩いた稜線、大幡池がかなり高い位置にある。右下は、琵琶池 | 今日も元気に出発! |
おなじみの新燃岳火口湖とそそり立つ火口壁 |
爽やかな風に吹かれて稜線漫歩(新燃岳火口縁) |
対面の獅子戸岳(新燃岳より)。山頂は風が吹き渡り快適! |
中岳の火口は池になっている。振り返ると台地状の新燃岳が望まれる |
風の吹き渡る中岳で汗を乾す。正面の高千穂ノ峰がひときわ高く見える |
【写真左:中岳から高千穂河原への登路】 【写真右:高千穂河原でタクシーを待つ】 気持ちよく洗顔していると、水汲みにこられた方・・・・、どちらから?・・・夷守、韓国を回ってきました。いやいや暑いですねえ・・・・どちらへ?・・・・高千穂越えて御池までの予定です・・・・そうですか、昨日の御池コースは、ヒルが多く大変だったそうですよ! この話を聞いて意欲は急速に減退・・・炎天下後頭部を焼かれて高千穂ノ峰のガレを登り、東側に降りたところでヒルに襲われる!・・・決断は早い、今回は、此処でやめましょう! やめると決まったら、やることは唯一つ!体を冷やしましょう・・・木陰のベンチに移動し、売店でアサヒを購入、縦走中断の反省会をやりました。御池方面に行くんだったら晩秋〜初冬がいいですかねえ。 帰りは、タクシーで車回収、白鳥温泉で汗を流し帰北の途に着いた。参加者の皆さん、炎天下の縦走、お疲れ様でした。 |
霧島バードラインを下った白鳥山中腹にある |
犬ヶ岳〜大平山〜耶馬溪(県境)縦走 4月7日JR、タクシーを乗り継ぎ犬ヶ岳の登山口へ向かう。支度して2日間の縦走に出発、恐淵経由犬ヶ岳山頂へのルートを辿る。石楠花はつぼみがほとんどなく、今年は裏年かも・・・キツネノカミソリはたくさん葉が出ていました。
【写真右:犬ヶ岳登山口】 おいずる岩には巻き道がつけられていましたが、これも足場が悪く気をつけないといけない。上り下りしながら経読岳。自然歩道の階段をくだり、林道を横切り古峠に到着。 少し下ると水が流れているが、水量が少ないので汲むのに時間がかかる。古峠までの道は鎖場、岩場あり。古峠で1泊。夜鹿がテントのまわりをうろうろ。 8日雁股山に向かう。岩峰をまきながらしばらく歩くと、倒木が道を塞ぎ荒れている。松川内林道の分岐から階段の上りとなり、上り詰めると、雁股山西峰、数分で東峰に着く。大平山まで9キロ、犬ヶ岳まで10.3キロの標識あり。 【写真左:大平山山頂】 雁股から歩きやすい広い道が続く。一度県道111号線を横きり、防火帯の中を歩いていく。大平山展望なし。少し歩くと立派な展望台がある。 大平山ふれあいの森から車道を歩いて帰るつもりでしたが、中津の山岳会の人が山道があると言うのでついて行くと、倒木あり、ササが茂り、転げるような急坂あり、途中で自然歩道の看板が出てくるが、数年前の台風のためくずれてしまっている。今は歩けるような状態ではない。 洞門キャンプ場にでる。山岳会の方に国道まで送っていただいた。大助かりでした・・・・ありがとうございました。 洞門からバス,JRに乗り小倉へ・・・・これで今回の山旅は終了です。皆さん、お疲れ様でした! ■参加者:川中、田村、鉄井、以上3名 |
犬ヶ岳(1131m)山頂 | 経読岳(992m山頂 | 雁股山(807m)山頂 |
大平山(597m)山頂 | ふれあいの森から青の同門へ下山 |
雪山教室 | 富士山:水ヶ塚公園〜須山口登山道〜7合目(往復) 2007.04.07-08 |
残雪季の富士山に出かける。目的は、5月の雪山トレーニングとボッカ。今年は暖冬だったが、3月が寒暖を繰り返しで不順だったせいか、予想に反して5合目以上は雪に覆われており、丁度11月末の様相である。 須走口や富士宮口は、ゴールデンウィーク直前にならなければ夏の取付まで車が入らない。一方、通年開通している富士スバルラインは、4月に入っての降雪のため開通区間が都度かわり早朝5合目まで入れる可能性は低いようである(ウェブサイト情報)。御殿場口はOKだが、標高1400m近くから歩かねばならない。 同じ1400mから歩くのであれば、ほかに適当な登山道はないかと探したところ、富士宮口と御殿場口の間に『須山口登山道』があることがわかった。 標高1450mの水ヶ塚公園から樹林帯をすすみ宝永火口に出るルートである。それ以上は御殿場口登山道か富士宮口登山道に合流する。一時廃れたが地元の力で復活し、結構整備されているようである。 【写真右:富士川SAから望む富士山】 いつものように20時北九州出発。途中、富士山の眺望が素晴らしい富士川SAで朝食を摂る・・・・満開の桜の梢の彼方に朝日に輝く富士山が望める・・・・山頂辺りに少しガスがかかっているが、今の所快晴である。しかし、予報では午後から弱い前線が通過することになっている。大荒れにならねばいいが・・・・ |
■参加者:西方、岡村M、新谷C、橋本、赤澤、久保、以上6名 ■コースタイム: 【04/07】水ヶ塚駐車場(07:30)〜森林限界(10:50)〜新6合目小屋:2500m(12:20)〜2600mで中退〜新6合目小屋(13:10) 【04/08】小屋(07:00)〜6合目(08:00)〜7合目:3010m(09:00/09:10)〜小屋(10:10/10:50)〜水ヶ塚駐車場(13:10) |
水ヶ塚公園駐車場から望む宝永火口と剣ヶ峰。正面の樹林帯に登山道がある |
|
登山口は林道並み | 樹林帯を行く | 御殿庭中付近 標識がなければワカリマセン! |
富士の裾野には多くの遊歩道がめぐらされ”高い富士山”だけではなく、”広大な富士山”を愉しむことが出来る。この須山口登山道も5合目あたりから富士宮口か御殿場口につながるのであるが、そこに行くまで途中いくつかの遊歩道が分岐・合流している。これといった特徴のない山道を黙々と進む・・・・ルンゼを離れる頃から雪道になるが、幸いなことに消えかけたトレースが残っており、それを辿る。トレースがなければなだらかな丘のような尾根だから積雪期はルートファイディングが難しそうだ。 出発して2時間近く行けば、この登山道の5合目までの名所?御殿庭に出る。御殿岩下、御殿庭中、御殿庭上と続く。この辺りは幾分樹木がまばらになり庭園風の明るい様相になるが、目を引くような変化があるわけではないので標識がなければ、そのまま通り過ぎてしまいそうである。 樹林が低くなるといきなりガレ場に出る。ここが森林限界、草木が忽然と姿を消した火山礫だけの無機質な世界である。遮るものがなくなり冬のような冷たい風が吹く・・・小休止してヤッケをはおる。ここから火口の縁を行くことになるが、ズルズルで非常に疲れる登りに変わる。 |
写真上:森林限界に出る 写真下:白い襞模様が際立つ火口壁 |
森林限界を抜けたところで休憩 風が強く防風着をつける |
擂鉢状にえぐれた火口壁の白い雪で浮き立つ襞が美しい。出発して3時間以上経過、足腰の疲れが出始める出る頃だが、もうひと踏ん張り! 15分ほどで火口壁に出る。眼前には大きくえぐれた宝永火口がでっかいスケールで展開する・・・予想以上に大きく、深い。平坦になった縁を時計回りに進むと左手斜面の奥に新6合目小屋が見えるようになる。縁は次第に傾斜を増し、またまた歩きにくいガレを登れば標識がある。ここは分岐点で右手は火口経由で宝永山へ、左手が新6合目小屋方面である。宝永山から新6合目小屋方面にトレースがある。 |
写真上:ガレたズルズルの登り 写真下:火口縁に沿って |
白く際立つ火口壁の襞の文様がが美しい |
次第に傾斜を増すとやがて分岐の標識 | 宝永山方面の夏道 |
トレースを追うが、すぐ雪の斜面に出る。部分的に堅そうなのでアイゼンをはいて斜面のトラバースにはいる。このころからガスが斜面を駆け上がり視界が極端に悪くなる。すぐそこに見えていたはずの新6合目小屋がガスに吸収され消失してしまったような感覚に陥るほど雰囲気が一変する・・・・しばらくで小屋がボンヤリと視界に入る。 小屋に到着、時刻は12時20分、出発しておよそ5時間である。標高2500mだから、スカイライン開通後の出発点にようやく着いた、ということか・・・・先が長い! |
分岐より小屋に向かってトラバース | 新6合目小屋到着 |
行けるところまで行こう!・・・小休止して出発、小屋から早速広大な雪の斜面である。トレースはあるような、無いような・・・・斜面の彼方に見え隠れする小屋を目標に適当にジグザグをきりながら登るしかない。所々、夏道を示すロープが出ているので、適当にロープを経由しながら進むと尾根筋に出る・・・・西風が一段と強くなる。 |
2600m辺りまであがるが・・・・風が強くそれ以上の登行をやめ6合目まで退却する |
|
軽装で出発する。雪面はよく締まりアイゼンの食い込む音が小気味よい。視界良好なので上部の小屋を目指し夏道?を無視して快調な足取りで進むが、雪面は微妙に変化する。特に堅雪の上に乗っかった新雪のBreakable Crustは要注意だ! |
新6合目小屋から6合目を目指す。6合目の小屋は現在閉鎖中 |
今日の6合目から7合目への斜面は氷化した箇所が多い・・・・注意深い登行が必要だ |
下山開始。向かって左側の斜面を下ることにする。幾分傾斜のきつい箇所があるので、アンザイレンする。技術的には皆さん問題なく歩けるが、精神安定剤としてザイル出すのは間違いではない。コンテでの登行の練習にもなる。斜下降、直下降を交えて1時間も下れば小屋前に出る。小休止してデポ荷を回収、パッキングしなおす。 さて此処からの下降が今日のメインイベントである。標高差は、およそ1000m、樹林帯に入れば眺望のない単調な、しかも傾斜の緩いダラダラ道を下らねばならない。 |
広大な斜面を好き勝手に下降する・・・1時間ほどで新6合目着 デポ品を回収してここから約1000mの下山【写真上右】 |