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春めいた北壁を眺めながら元谷にはいる |
弥山沢の左岸へ向かう | 弥山沢右岸よりに進み左の ブッシュ帯の上部あたりで準備する |
中ノ沢、滝沢の下部の横筋はクレパス。右下の黒い点は、弥山尾根(東稜)へ向かうクライマー |
クレパスまでザイルを引きずっていく あたりにはラクが一杯!気温が上がらぬ内に下部を抜けたほうがよさそうだ |
クレパスのテラスから登攀開始。上部は日が射して気温があがってきたのだろうか、細かい落石が多い。親指大ぐらいになると、ビュ〜ンとうなって落ちてくる。頭はヘルメットがあり大丈夫だが、股や膝に時たまあたる。雪面は凹凸があるので方向が右に左にくるくる変わり避けるのはなかなか難しい・・・・今は小石だから問題ないが、もう少し大きくなると怪我する。ウロウロしないで早く抜けるが勝ちだ! 1P目〜3P目:沢の中央少し右をまっすぐあがる。よくしまった堅雪で、ほどほどの傾斜だからピッケルとバイルを両手に持ちピックを刺して、キックステップもしくはフロントポインティングで登るのが速い・・・・が、疲れるのも速い!教科書では、ピオレ・パンヌというスタイルだ。ダブルアックスで登るには、傾斜が緩く中途半端な傾斜である。3Pで、喉部に達する。右手の岩陰でビレーする。セルフビレーは、アングル状のスノーバーでとる。今日は、しっかり効いてくれる。 4P目:喉部を越えて上部の雪田に出る。喉部が少し傾斜が強い。上部からのラクは、すべてこの喉部を通るので、注意してすばやく通過しなければならない。上部の雪田でビレー。日差しがなくなったのでラクが少なくなる。ほんのちょっとのことでずいぶん違うものである。 5P目:本沢から右の支沢へ入る。分岐から上部が傾斜が少し強くなったので、ダブルアックスで行くが、快適な登行で気分がいい。50mいっぱいでビレー。この頃からガスが出て視界が閉ざされるようになる。 6P目:右手に抜ければ滝沢リッジであるが、雪壁のほうが登りやすそうなので直上し、元谷から見えていた三角形の岸壁の基部まで行く。60mで足りないので、ビレーポイントを15mほど上げる。40mザイルだと2Pになりそうだ。 7P目:岸壁の基部に沿って右手に登れば広い雪田に出る。このあたりの傾斜は、かなり緩くなる。コンテでも問題なさそうだ。 8P目〜9P目:広い雪田を直上する。右手から滝沢リッジが少しずつ迫ってくる。雪田の最奥がピークになっているのでそこまで行くことにする。ザイルが足りなくなったので、コンテに切り替え、ピークまで登る。このピークで滝沢リッジルートと合流する。多分、滝沢リッジの、10P目もしくは11P目になると思う。 ガスで先が見えないが、登山者の声が聞こえるので稜線まではもう少しだろう。傾斜の緩んだ細い雪稜を行けば雪壁になる。行動開始から何も口にしていないので休憩する。主稜線は直ぐそこのようである。少し登れば、トレースがしっかりついた主稜線に出た。 |
登攀開始。1P目、喉を目指して快適に登る | 2P目も快適。喉部まで近く感じるが、 ザイル1本分は足りない |
3P目スタート。結構かたいので快適! | 2P目のビレーポイント スノーバーでセルフビレーをとる |
もう少しで喉部に達する・・・左手には小屏風岩、右手には別山。傾斜は、45度くらいかな |
4P目:喉部の登攀。傾斜があるが足許はしっかり効く | 5P目:右手の支沢にはいる |
4P目のビレーポイントから中ノ沢を見下ろす。高度感は十分! |
5P目、堅雪の登攀。 | 6P目は、雪壁を直上する。このあたりからガスが出てきた |
6P目は三角形の岩場の基部まで直上する | もう少しで、6P目のビレーポイント |
7P目は、岸壁基部に沿って登る | 7P目のビレーポイント |
8〜9P目:割と緩い雪壁。 ピークまで60mでは足りないのでコンテで行く |
7P目のビレーポイント 上から覗くとえらく急に見える |
ピークから雪稜を登り雪壁を越えると主稜線に出る。縦走する登山者がぼんやり見える |
取り付きから、3時間強かかった。元谷堰堤から4時間半ほどである。3人だからまあいペースだろうと思う。今日は、後半ガスが出たが、前半は視界明瞭だったので助かった。しかし、晴れれば日が射し、岩が緩み落石を誘発するので、曇りぐらいが丁度いいのかもしれない。 登攀具片付けて弥山に向かう。今日も多くの登山者で賑わっている。7合目あたりから尻セードで下るが・・・・先週と違い、今日は快適!ほぼ全線一気に滑り元谷に出る。多分、傾斜が落ちるところまで10分もかかっていない。 敏速な下山で、先週よりは早い時刻に駐車場に戻ることが出来た。 夏道を往復した林さんは、早々と下山しておりました。皆さん、お疲れ様でした。 本年の雪山大山は、今回が最後となりました。社会生活から見れば、今年は、雪にめぐまれた!と喜んではいけませんが・・・・ヤマヤにとっては、厳しくとも愉しい雪だった!・・・・と思います。 おおむね愉しい山行でしたが、課題も残りました。 来年も、大山を愛するヤマヤの皆さんと稜線で、尾根で会えることを愉しみにしております・・・・それでは、又ね! |
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Reported by Y.Kubo
Photo presented by S.Okamura & K.Akazawa