南米アンデス:アコンカグア遠征 No.4

●12/28-2007.01/06●
Camp 2〜Camp 1〜プラザ・アルゼンチーナ(BC)〜ペニテンテス〜サンチャゴ〜帰国

12/28
  今日は、C2を撤収してBCまで下山する。少し遅めに起床、撤収準備をしているとレンジャーがやってきた。Summitに立ったのか?と聞くので、Yes, yesterday we had got summit.・・・Oh,Congratulaton!と祝福してくれた。今日BCまで下山する旨伝える。

【写真右:Good by ! Camp 2 and Polish Glacier】

 ガソリンが少し余ったので、ガソリンをキャッシュしてある所を探しボトルに追加する。C2には、燃料がキャッシュされており非常時には使えるようになっている。C2にあるもの全てパッキングしたら、3人ともかなりな重量になる!・・・・まあのんびり下れば何とかなるだろう。


 ふと周囲に目をやると、多分、昨日C2ヘ来たのだろう、あのカナダ4人組が出発するところだった。手を上げて挨拶する・・・・頑張ってネ!

 11:15、C2出発。ゆっくり下降、C1着が13:00。C1に残しておいたものを回収する。下りとてそんなに楽じゃない・・・今日は風も穏やかで暖かいので30分ほど休憩する。

 ジャケットやパンツを脱いでザックに収納、ザックは満杯に膨れ上がった。あと2−3時間でBC着だ・・・・・頑張って行きましょう!

 標高差:1600mを下って、BCに着いたのは16:30、これで重荷から解放される。BCからは、重荷はムーラにバトンタッチである。BCの6人用テントは、何事もなかったようにしっかり立っていた。


【写真左:本日のディナーはビーフとポテトフライ】

 適当に片付け、とりあえずDaniel Lopez に行ってビールを飲もう!
テントのドアを開くと、懐かしい顔があらわれる・・・なんか家に帰ったような気分だ。まず、ビール!・・・すぐに冷たいビールが出てくる・・・・美味いネエ!
夕食は、ビーフとポテトフライを頼んだ。Mr. Danielは不在、ホリデイでメンドーサに帰っているとのこと。01/05には帰ってくるらしい。しばらくドライフーズのみだっただけに、生ものの料理はホントに美味い!

明日は、レストデイ、明後日に下山したい、旨伝えてテントにかえる・・・・今日はゆっくり休もう。



今日はBCまで下降。ザックは満杯で体はきついが、アタックは成功、気分はいい!

C1で、30分ほど休憩、気分を入れ替えてBCへ向う・・・ガレを越えれば雪渓の下降にはいる

雪渓上部からモレーン台地を俯瞰する・・・・台地の末端がC1になる

気温が高く、少しくさり気味の雪渓・・・ペニテンテスも形が崩れ始めている

痩せ細ってきたペニテンテス・・・余命僅か! モレーンの末端に行くとガレの下に氷河が見える

8日ぶりにBCへ還る・・・わがダンロップテントは何事もなかったようにしっかり建っていました

 12/29
 今日はレストデイ・・・遅めの起床だ。
起きたら荷物整理にかかる。整理すると、ガスカートリッジ、ガソリン、食料、等相当な量残っている。これらは持って帰っても仕方ないので、処分することにする。処分といっても投棄は出来ないので、Daniel Lopez Expeditionに持っていったところ、全てセールアウト!(勿論、無料です)。

 ついでレンジャーステーションに行きチェックアウト。大事に持って下山したゴミ袋を出すと、外のドラム缶に!という・・・・チェックインの時は、厳しく言われたような気がするが・・・・キジ紙の詰め合わせだもの、まあいいか。

 登頂して降りてきたらランチも、ディナーも作る気が起こらず、Daniel Lopezで食べることにする。ランチはビール+ピザパイ、ディナーはビール+オムレツとする。なかなかいい味である。
当会の、Mr. Harada お手製の”嵐”の旗を持参してきていたので、Daniel Lopezに寄贈する。テント内で、唯一、漢字の書かれた旗である。

 食事の合間、ムーラの手配の打合せをする・・・・・向こうの要望により、12/30は、BC→カサ・デ・ピエドラ→パンパ・デ・レーニャス(泊)、12/31は、パンパ・デ・レーニャス→プンタ・デ・バカス→ペニテンテスの2日行程で下山することになった。ローレンスが、プンタ・デ・バカスに12:00に迎えに来る、ということだ。

 我々のアタックが終わったら、なぜかしら天候が安定してきた。砂塵を巻き上げる強風は吹かないし、気温も少し高めになり爽やかになった。テント内よりも外のほうが心地いい時期になってきた。やはり、今ごろからが本当のハイシーズンになるのかもしれない。


夏山のように気温が上がる・・・・のんびりBCでの休日を愉しむ


12/30

 BC撤収、6ヶのバッグに全て収納する。往路と同じルートを辿るので、ザックは水筒+行動食程度でできるだけ軽くする。

 08:30、バゲージを Daniel のテント前まで運ぶ。そして、Daniel の皆さん、テント内で食事をされているツアーの皆さんにお別れの挨拶をする・・・短い期間でしたが、愉しい山旅になりました。
 Thank you very much and we hope your good luck and success !

 08:50、出発。18日にBC入りして今日で12日目である。BC入りした時は、気温も低く風が強かったが、下山する今は季節が進んだのだろう、初夏らしい爽やかな気候になった。下りではあるが、ゆったりした傾斜の丘を下るので、非常に楽である。下りながら何度も振り返る・・・・・アコンカグアが次第に小さくなっていく。

 ムーラの群れとすれ違ったり、追い越されたりする。やがて渡渉地点に出る。登る時と違い格段に水量が多く、色も登る時はグレーに近かったのに今は茶褐色の濁流になっている。雪融けが急速に進んでいるようだ。

 山靴のままでは濡れるので、サンダルはいて渡渉。左岸に出る。ゴルジュ帯を右に見て急降下・・・・以後、左岸の踏み跡を忠実にたどれば、広大な河原に出る。対岸がカサ・デ・ピエドラである。ここバカス谷本流も水量がまるで違う。またサンダルはいて数ヶ所渡渉し、対岸の踏み跡にでる・・・アコンカグアの見えるところで小休止。


 今日の行程、半分消化。残りは単調な丘下りだが・・・・・これからは、ホントに退屈、ひたすら歩くのみのだ。しかもいくつもの丘を越えていかねばならない。


お世話になった、Daniel Lopez Expedition の皆さん! ありがとう!
We thank for your kindness & hospitality !

僅か10日ほどの間に広場のペニテンテスは後退、
彼方の山々の残雪も少なくなった・・・季節は確実に進んでいる

下山時、ゴルジュまではアコンカグアがいつも背面で見守ってくれる・・・・
アコンカグアにはムーラがよく合う・・・・・下るほどに植生は濃くなり夏が近づく

左岸に渡渉、高巻きルートを急降下、そのまま左岸の踏み跡をたどり、
カサ・デ・ピエドラの広大な河原に出る

すっかり夏本番、グリーンが眩しいカサ・デ・ピエドラの湿地帯・・・ここからのアコンカグアが最後になる


 途中、これから登る数パーティの登山者に会う。見た目のみの判断じゃまずいが・・・・とても7000mを目指しているとは思えない登山者も数多くいた・・・・トレッキングのみかもしれない。
数時間の丘のウォーキングが終わると谷が少し狭くなる地点に出る。ここを下れば、鉄橋があり、それを右岸に渡れば今日のサイト:パンパ・デ・レーニャスはすぐである。喉はガラガラ・・・早くビールが飲みたい!

 対岸に、橋の位置を示す標識が見える・・・・・とことこくだっていくと・・・なんと橋がない!正確には、濁流に落ち込み、半分くらい没していたのです。あ〜ア、こりゃ困った!
橋の中央部部分は急な濁流の中だ。手摺のワイヤーロープは付いたままである。先行している高木・久保、ワイヤロープ伝えば何とか渡れるだろう、と判断。パンツ1枚になり、スリップしないように裸足になって、中央部の急流まで行くが、もの凄い水圧・・・・これはやばい、やめたほうがよさそうだ。

 引き返して思うに、途中すれ違った登山者が、ここを渡渉したとはとても思われない・・・ほかに渡渉できる場所があるんではないか?・・・こう考え下流の調査にかかる。
300m程下るがとても渡渉できそうなところはない。その下流は二俣になっているが、片方が無理のようだ。丁度、対岸に、パンパ・デ・レーニャスのレンジャーステーションが見える。見るとたまたまレンジャラーらしき女性が出てきた。大声をあげ手を振るとすぐ対岸まで来てくれた。濁流の音で声が通らない・・・・身振り・手振りで橋が落下したことを伝える、と理解したようでお互い上流に向う・・・・・が、まてまてひょっとしたら30分ほど遅れている岡村が無理して渡渉しているのではないか!・・・・駆け足で橋へ向う・・・・が、岡村、既に渡渉した直後のようでタオルで足を拭いていた・・・・・間にあわなかった、が何事もなく無事でよかった。

 すぐレンジャーも駆けつけ、橋の状況を見て我々に×を示して、渡るなという。ほんの数mなのに濁流の音で声が通らない。仕方がないので紙に書いて意志の疎通を計る・・・・・・レンジャーは紙だが、こちらは手振りと宙に文字を書く。 Please stay here・・・・・・OK!  What is the Mula Company ?・・・・・AZIMUTO!   Do you have sleeping bag?・・・・・No! Do you have food and water・・・・・We have some food, but no water. ビールが飲みたいので、手振りで、ジョッキに泡を示し、グイッと飲む動作をした。レンジャー、ニャリと笑ったが理解されたかどうか・・・・と何とかレンジャーの意志とこちらの状況を交換できた。

【写真右:落ちた鉄橋。対岸で待機するのは、高木、久保の2名】

 レンジャーは一旦引き上げる。高木・久保は、ひょっとしたらヘリが来るのかもしれない。そのときは、ペニテンテスまで運んでもらおう、とか楽観的であった。

 しばらくして対岸の『救助隊』が戻り、ザイルを投げる。そのザイルにザックをカラビナでつるし、ザックをケーブルでこちらに渡すようだ・・・・ちょっと手間取ったがザックはこちらの手許に渡る。中には、シュラフ、ガス水、パン、ハム、マットが入っている。残念ながらビールは入っていない。

 レンジャーが、Please stay here!と念を押す・・・・これで2人の今夜の運命は決まった。橋のたもとでビバークせよ!との指示である・・・・同時にヘリによる救出なんぞ、ありえないことを理解する。彼らと岡村は、バイバイして帰っていった。

 差し入れのハムは美味い。喉はガラガラだったせいもありガス水も美味い!・・・とりあえず一息つく。濁流は、時間が経つほどに水量が増え、とても近づけそうにない水位になっている。日中は気温が上がり、雪融けが進む。その融水が今押し寄せているようだ。考えれば、先程ザイルをもらった時に、確保してもらい渡ればよかったなあ、と思ったが・・・まあいいか、今日はここでビバークしましょう。

 風のあたらないところに移動、マット敷いてザックに足を突っ込んで、サイドオープンのシュラフ1ヶを2人で羽織って横になる。 濁流に足を向け仰向けになると、右岸に屹立する200m以上ありそうな岩峰が、覆い被さるように見える。そのピーク辺りを大きな鳥が数羽輪を描いて舞っている。時には急降下したり、岩の割れ目に消えたり出たりしている・・・・はて?あれコンドル?・・・多分、そうにちがいない・・・・こんな所にこうして横になっているから気が付くが、普通に歩いていて目に入らないだろう・・・落橋のおかげか・・・。

 思えば、往路は未知だったので、ツェルト、ウインドブレーカー、等ザックに入れていた。復路は、知った道、危険はゼロと思いこみ、水と行動食、ティッシュ、タオルぐらいしか入っていない・・・・・やはり何が起こるかわからない。気を抜いたらダメだ・・・・とちょっと反省する。
暗くなるに従い、前の岩峰が今にも倒れ込んできそうに見えてくる。そのうち月が出て、2人の寝ている所がスポットライトを浴びたみたいに明るく浮かび上がる・・・・時が経ち月は沈み暗闇が訪れる・・・・うつらうつらしていたら朝が来た



小谷や湧水の流れは、澄んでいるが(写真:左)、本流は茶褐色・・・・まさしく台地を削る雪解け水!

広大な河原を歩き、なだらかな扇状地のような丘を越えていく・・・2つの粒は、嵐パーティ

茶褐色の本流のすぐ近くに高層湿原のような湧水がある
湧水の周囲は緑が綺麗だ
往路より水位が上がり
少し上部の踏み跡を辿る

緑の台地と濁流・・・まだまだ丘は続く ようやくパンパ・デ・レーニャスの見えるところまできた
ここを下リ鉄橋を渡り右岸へ・・・
サイトはそこのはずでしたが・・・

 12/31
 人声でやおら起きあがる。対岸に登山者がズラリ・・・ガイド登山のようだ。彼らはここでの渡渉は見送り右岸をそのまま行くようだ。上流の適当な所で渡渉するのだろう。濁流を見ると、今朝は水位が下がっている。気温が下がると残雪が凍結するので、朝方が一番水位が低くなるのだろう。このまま待機しても救出されそうにないので、自力脱出、渡渉することにする。パンツ1枚になり、のこりは全てザックにしまう。

 サンダルをぶら下げるカラビナをザックにつけていたので、ザックのベルトから橋のワイヤーにビレイを取り、ケーブルにして渡る。中央部はかなりの水圧であったが、強いのは一歩で無事渡渉完了。
体拭いてズボンをはきパンパ・デ・レーニャスに向う。レンジャーステーションに行きチェックアウト。昨日の女性に渡渉してきたことを報告すると、少し御機嫌斜め! 貴方は私の言った事を理解していたの?・・・勿論、わかりましたよ。しかし、今朝水位が下がったので渡渉したんです・・・・でも不機嫌は直りそうにない。


 岡村は、カマボコテントで食事中だったが・・12時の約束、早く出発しないと間に合わないので、切り上げて出発する。時刻は、08:30、急げばなんとか間にあいそうだ。結局、我々のバゲージを運ぶムーラは到着していなかった。そのため岡村は着の身着の儘でベンチに横になったが、非常に寒い思いをした、とのこと。露天の我々のほうがよかったかな。

 今日もひたすら丘を下る。途中、往路ではなかった土石流の跡がある。河原に出ると一面泥の海!巻くのも大変なので飛び石伝いに泥の海を行くが・・・・そのうち泥に足をとられ膝下まで埋まる・・・・・一旦埋まると諦めがつく・・・苦闘して泥の海から脱出、濁流でパンツ、靴を洗い気を取り直して飛ばす・・・・お花畑、清流の小谷を越えプンタ・デ・バカスを目指す・・・・こうして、約束の5分前、出発地点についた。

【写真左:出発地点に無事下山!・・・・ビールで乾杯!】

 彼女はまだ来ていない。岡村は、両足の親指の爪にちょっとしたトラブルが発生し、30分ほど遅れている。10分ほどしたらローレンスさんが迎えにきた・・・・・まず Congratulation!と祝福を受ける。ローレンスさんは、橋が落ちたこと、そのためムーラが到着していないこと、等承知していた。

 聞くと、AZIMUTO所掌のパーティが、渡る時、橋が落ち一人が危うく流されそうになった、ムーラも1頭流されたが、救出された、とのことだ・・・・しかし何でレンジャーが知らなかったのだろう?



岡村到着まで時間があるので缶ビールを買ってきてもらう。12:30、岡村到着・・・・・めでたく全員ゴール!乾杯のビールがことの外美味い!

車でペニテンテスのホテルに移動、チェックインする。既に宿泊日は変更され、2日滞在することになっていた・・・バゲージは遅くとも明日中には届くのだろう。
髭をそり、シャワーを浴びる。そしてデポ荷を回収、着替えてすっきり!
レストランは、20時オープン、それまで待ちきれず早めにロビーで白ワインを飲む・・・・美味い!

【写真右:ホテルのレストランで祝杯をあげる】

20時になったらレストランへ移動。今日は夕食込みなのでセットメニューになる。ワインは勿論別途支払い・・・赤、白と軽くあけてしまう。焼酎党の岡村、美味い!美味い!とグイグイ飲む・・・はていつのまにかワイン党になってしまったようだ。

下山は、予想外のトラブルがあったものの、最後は、シャワーでさっぱり、ワインで気持ちよく酔って終わりとなった・・・・感謝!感謝!



今日もひたすら丘を下る 土石流で埋まった河原。本流も濃度希薄な土石流

往路では咲いていなかったお花畑 段丘でのんびり草を食む牛

谷が狭まった所を越せば、プンタ・デ・バカスは近い・・・
(右)向かいの山裾が車道のあるプウンタ・デ・バカス

降雨直後みたいな本流 やっと プンタ・デ・バカス・・・本山行のフィナーレが近づく


 2007.01/01

 01/01、今日は元旦、あけましておめでとう御座います!Happy New Year !

 朝は通常の時刻に目が覚める。朝食を済まし、ホテルフロントに行くが、まだ我々のバゲージは到着していない。朝、現地スタートしたとして午後遅くの到着だろう。

 そのまま散歩に出かける・・・すっきりと晴れ、風が心地いい。通りの向かい側からホテルを見る。岩峰を背景にして立派なリゾートホテルに見える・・・メンテナンスがよくないから中身はたいしたことないが、外観はGood !である。

【写真左:ホテルのロビーから】

 ランチタイムは、すぐ近くの売店兼レストランで、アンデスビール、白ワイン、ピザ!
ランチを済ませ一旦ホテルに帰る。ロビーで休んでいたらローレンスさんがバゲージを運んできた・・・・ようやく荷が届いた。鉄橋が落ちたことが原因だろうが・・・・とにかく荷がつけばそれでOK。

 早速、荷物の整理にかかる。不要品は全て廃棄する。泥まみれであるので洗えるものは洗濯して荷をまとめさっぱりする。

 18:30過ぎたら、またロビーへ。ワインを飲みながらレストランのオープンする20:00を待つ。20:00、レストランへ移動。ビーフをおつまみに、白、赤、白とボトルは気持ちよく空いてすっかりいい気分で就寝



白壁の瀟洒なホテルが、我が家!外観・環境は素晴らしいが・
・・・メンテナンスに不満有り

 01/02
 今日は、アルゼンチンにお別れしてサンチャゴへ向う。09:30、AZIMUTO手配のセダンに荷物を積み込む。トランクに3ヶ、屋根のキャリヤーに3ヶ・・・・・大丈夫か?と思うが年配の運転手は手馴れた様子、多分、いつもこのようにして運んでいるんだろう。10:00、お世話になったローレンスさんに別れを告げ、一路サンチャゴへ向う。国境へ向う途中でノーマルルート取り付きを通過するが、ここからはアコンカグアを遠望できた・・・・アコンカグア、バイバイ!

 アルゼンチンに別れを告げ国境のトンネルを越える。チリ側の国境管理事務所にはいる。我々の手続きは簡単だが、運転手のほうは忙しそうだ。チリ側では麻薬犬による荷物検査が行われる。6ヶのうち1ヶがチェックにかかり、バゲージの中身を検査された。勿論、山道具のみで、目当てのものが見つかるはずはないが・・・察するに、ボトルに少し残っていたガソリン?もしくは消費済みのガスカートリッジ?の微妙なにおいではないかと思う。

ともあれチリへ無事入国する。

少し不安な運転だったが、無事サンチャゴ市内に入る。AZIMUTOがリザーブしてくれたのは、ダウンタウン近くのこじんまりしたおしゃれなホテル・・・ルームチャージは、AZIMUTOレートでU$90である。

【写真右:サンチャゴ滞在のホテル】

薄汚れたバゲージにホテルのフロントは、少し顔をゆがめていたが・・・・小奇麗な部屋に入り、シャワー、着替え、そして汚いバゲージをタオルでクリーニング、すっかり清潔になったところで町に出る。

ホテルのフロントに教えてもらったショッピングセンターの両替屋で、チリペソにチェンジする。まずビールを飲もう!

近くのオープンカフェにはいる。ベッカーというローカルブランドのドラフトビールをいただく・・・・これは美味い!つい杯を重ねてしまう。

喉が潤えば、次はウインドショッピング・・・ダウンタウンだけあって人通りも多いし、お店の数も多い。

 ぶらぶら歩き回ると、それなりにお腹もすくが、レストランは、20時にならないとオープンしない・・・・・開いているところは無いかとさまよえば、パッとしない中華レストランが開いている・・・贅沢はいえないのでとにかく中にはいる。
単品は、料理の内容が理解できないので、店の進めるセットメニューをもらう。飲み物は、ビール、ワイン、そして怪しげなパック入の日本酒。

満たされた気分で外に出ると近くに登山用品店があった。小さな店で、ウェア中心・・・少し物色する。ほかに山の店はないか、聞いたところもう1軒あるとのこと。首尾よく場所を聞いてホテルに帰る・・・ホテルのレストランで、もう少し飲んで就寝。


ペニテンテスからチャーター車で出発 チリ入国で少し手間取る

01/03
 今日は休養日である。
08:00、朝食。次は、昼前に集合して昨日教えてもらった山の店に行く。
それほど大きな店ではないが、ウェアだけでなく登攀具も置いてある。これといった物は置いてないが・・・2,3帰り支度(日本は冬)として購入する。

 お昼になったので、ぶらりとカフェを探す・・・・近くに『カフェの村』みたいな所があり、交差点に面した、はやりそうな店、『Luisiana』にはいる。ビールと適当な料理を頼む。黒人の親子(母と娘)がなかなかおもしろい店であった。すぐ近くに本格レストランがあり、カフェと違い上品な感じ・・・・夜はあそこに行こう、ということで話がまとまる。


一旦、ホテルに帰り、夕方までフリータイム。昼寝やショッピングで過ごす。
ディナータイム到来・・・昼めぼしをつけたレストランへ!ライブも出来るようになっているが今日はないらしい。

 フロアでは黒人のウェイターが、お客2人にルンバを教えていた・・・・自然にステップが踏めるように反復練習に余念が無い・・・・・我々はといえば、ビール、ワイン、とここ数日と同じパターン、ワイン3本空にして今夜も御機嫌よく帰館する。



01/04

 今日は、レートチェックアウト。17:00出発の予定だ。昨日、サンチャゴのAZIMUTOより電話があり、明日空港まで送るという。朝食をとればフリータイム、特にすることはないので、市内観光に出かける・・・・といっても、ダウンタウンに近くにある見晴らしのよさそうな丘である。

 にぎやかな通りを横切り、中心を流れる雪融けの茶褐色の川にかかる橋を渡れば閑静な住宅街・・・ブラリ歩くと公園があり、丘(サンクリストバルの丘と呼ばれる)に行くゴンドラ乗り場がある。

【写真左:サンクリストバルの丘のマリア像】

 中継1回で丘の直下につく。スロープを登ると白亜のマリア像や教会のある丘の頂上に出る。うるさくない音量で賛美歌が流れている・・・・気温は結構高く、汗ばむくらいだが、静かにながれる賛美歌を聞くと、不思議と清涼感にみたされる・・・・ここからサンチャゴ市内が一望できる。人口600万人住むこの町は広大だ。目を遠くに向ければぼんやりであるが、残雪を抱く山岳が遠望できる。残雪があるくらいだから、3500m以上だろう。

 一旦ホテルに戻り、ランチに出直す。今日はお土産買わねば・・・と中華レストラン近くの山の店へ寄る。かさばらないものをもとめて、次はカフェでランチ・・・・爽やかな夏の昼下がり、やはりビール!

【写真右:サンチャゴ空港にてAZIMUTOのJuanさんとお別れです】

 16:45、チェックアウトしてAZIMUTOを待つが、なかなか来ない。フロントから問いあわせてもらったところ、向こうは18:00という。18:00でも時間は十分あるので、迎えがくるまでワイン1杯!

 迎えにきたのは、チリ入国時に迎えにきたJuanさん!再会を祝し、そして登頂のお祝い!Congratulation !空港ではチェックインまでアテンドしてくれた。
チェックインで小さなトラブル発生、実はカナダはお酒の持込が出来ない・・・・・岡村のザックに忍ばせてあった3本のワインは、Juanさんのザックへ!
Juanさん、ニッコリとして、Thank You very much ! ・・・・・こうしてチリとAZIMUTOにお別れして出国する。
トロント行きは、AC-093便(21:15)、時間あるのでウイスキーを少しもらい暇をつぶす。
もう来ないかもしれないし、何かの縁で来るかもしれない。山旅は、計画的に見えるが実は気まぐれだしネエ・・・少しばかり旅情に浸りつつ機中の人となった。


サンチャゴの乾いた夏は、たったの2日間!名残惜しい・・・。

01/05-06

早朝、06:25、カナダ:トロント着。往路と同様、一旦入国する。バゲージのピックアップは必要なし。成田便も、サンチャゴでチェックイン済みなので、トランシットカウンターをパスして、出国する。
成田行きは、13:25、およそ6時間ある。適当に暇つぶさねばならない。喉が渇く・・・・ビールでもと思いレストランにはいるが、アルコールは、11:00以降しか出せないとのこと、空港内のお店のルールらしい・・・・仕方ないので10:30過ぎに料理を頼むと、11:00、ジャストインタイムで、料理とビールが同時に出てくる。

 やがて搭乗時刻。エヤカナダ:AC−001便は、ちょっとしたトラブル?があり、1時間ほど遅れてテークオフした。帰りは、13時間かかる。西に向うので太陽を追いかける形になり、終日日が暮れない。International Date Lineを越えると、01/06。

出発が遅れた分、成田着も遅れ、18:00頃着陸する。

 成田からリムジンバスで羽田に移動。20:00過ぎた羽田第1ターミナルは、ガラ〜ンとしている。南ウイングの端っこにあるスターフライヤーカウンターへ急ぐと、20:30発にギリギリ間にあう・・・・これで6日中に家に帰れそうだ。

【写真右:出迎え、ありがとう御座いました】

羽田発、20:30、北九州空港着、22:15。三栗さん、川中さんの出迎えを受ける・・・木枯らしが吹き小雪が舞うなか、出迎えに来てもらい有り難う御座います。


 
かくして、我々3名の25日間の山旅は、めでたく終了しました!皆さん、御協力、御声援、等有り難う御座いました。心から感謝申し上げます。

尚、行動記録は、参加者を代表して久保がまとめました。言葉足らず、独断ありかと思います。あしからず御了承ください。尚、写真は、岡村、高木両名の撮影したものです。

又、アコンカグアをはじめ、その他のピーク、等の標高はマップによって異なる場合があります。本報告に採用したマップ、説明図に記載された数値を適用しました。



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