南米アンデス:アコンカグア遠征 No.1

12/13-12/18●
出国〜サンチャゴ〜メンドーサ〜ペニテンテス〜プラザ・アルゼンティーナ(BC)】

12/13 少し余裕を持って、午前10時ごろ福岡空港集合とする。今回も平日にかかわらず山仲間に見送りにきていただいた。荷物は、デナリ遠征とほぼ同じ各自50kg、3名で150kgである。コンプレッションバッグ6ヶ(各自2ヶ)に収納する。全員そろったところで早めの昼食をとりながら談笑・・・・出発前はいつも少し華やいだ気分になり話も弾みます。
フライトは、NH-2144便(11:45発)成田行き。成田からはエヤーカナダ便であるが、この便はANAとのコードシェア便、従い福岡空港で荷物からは解放される。

 11:15、セイフティチェック入り口でお別れをする。NH便は、1時間ほど遅れてテークオフ、成田着も定刻よりは遅くなった、が我々のフライトは、AC-002便、17:00発トロント行きで、乗り継ぎには問題なし。成田は、第1ターミナルが新装になり、ANAなどスターアライアンスメンバーは第1ターミナルに集結している。
 
 今回は、成田→トロント→サンチャゴのルートでチリ入りすることになっている。トロント→サンチャゴもAC便であるので荷物がいっしょに届かないことはまずないだろうと思う。成田→トロントは、およそ12時間かかる・・・・・じっと狭いシートに座っていたらおかしくなる距離です、が我慢、我慢・・・・

 Date Lineを越すと、日付を1日遅らすので、出発日と同じ 12/13。15:15、AC-002便は無事トロント空港にランディングする。トロント空港はハブ空港らしい広大な空港、とても日本の狭い空港では太刀打ちできそうにないくらい広〜い。我々は、トランシットであるが、カナダの場合、一旦入国しなければならない。イミグレーションを出てバゲージクレームへ向う。福岡空港で係員から、荷物を一旦トロントでピックアップしてください、といわれたので荷物の出てくるのも待つが・・・出てこない。カウンターに問い合わせると、サンチャゴ直送、ピックアップの必要なし、とのこと・・・多分、そうだとは思っていたが。

 カスタムをでてトランシットの表示に従い、トランシット用カウンターでサンチャゴまでの便(AC-092便)チェックインする。出発は、23:15・・・時間は十分あるので飲み食い、うたた寝で暇をつぶす。やがて23時、まともな睡眠を取らないまま、ふたたび機中の人となり、10時間を過ごさねばならない。



12/14 窓を少し開けると雪を抱いたアンデスの山嶺がみえる・・・どの辺りだろう?あと1時間ほどでサンチャゴだから、アコンカグア辺りじゃないかな、と思い隣の人に聞くが、さっぱり?要を得ない。当たり前の話で山に興味無ければわかるはずもない。
定刻より少し遅れてサンチャゴ空港にランディング!・・・・ようやくエコノミーのたびが終わった。

 イミグレーションを出て、6ヶのバゲージをピックアップ、外に出る。程なく出迎えのAZIMUTO 360の係員2人と合流する。ベンツの小型バスに乗り込み、13:30、出発。今日はサンチャゴの町はパスして国境を越えアルゼンチンのメンドーサへ向う。

 空港を出てすぐハイウェイにはいると、車は一段とスピードをあげ一路国境に向う。サンチャゴは、標高900mくらいの高原都市であるが、過ぎ去る周囲の風景は乾燥地帯そのものである。比較的緑のおおい郊外を抜けると次第に高度を上げていく。田舎町をいくつか過ぎると山岳地帯に入り、見上げるような岩山、岩峰の連なる山脈の裾野の谷を縫うようにハイウェイは延び、やがて本格的なアンデス越えにはいる。
 高度差数100mをヘヤピンカーブを連続させて一気に登れば、標高3000mを越え、チリ側の国境管理事務所を通過、アンデスを貫くトンネルにはいる。トンネルを出るとアルゼンチンである。しばらくでアルゼンチン側の国境管理事務所に到着。標高は、3150mくらいか、涼しさを通り越すくらいでかなり気温がひくい。我々は、パスポートのチェックだけだが、旅行社であるAZIMUTOのほうはいろいろ手続きが多く結構時間がかかる。

【写真右:数100mの標高差を一気に登り国境のトンネルヘ向う】

 AZIMUTOの2人はいつも国境を往来しているようで、管理事務所の係員とは知り合いのようだ。外に出ると彼方に残雪の山が望める。ここが、3150mとすれば、推定だが、4500m以上くらいはかなりな残雪が予想される。

 BCであるプラザ・アルゼンチーナは4200mだから、雪はないだろうが、C1(5000m)、C2(5800m)あたりは雪原であるまいか、そうだとすればテント固定のペグが大量にいる・・・・勿論、持参していない。まずいなあ・・・と思うが案じてもしようがない。やがて手続きも終わり車中の人となる。ここからは下りに入る。

 開けた谷に沿ってハイウェイはのびやかに下っていく。両サイドは4000mを越す岩峰が連なる。やがて明日宿泊予定のペニテンテスに一時停車。左手がスキー場で冬場のリゾート地のようだ。更に下るとバカス谷取り付きのプンタ・デ・バカスを通過する。メンドーサまで残り150kmぐらいである。


登山基地となるペニテンテス。スキー場のあるリゾート地だが今は閑散としている
右は、宿泊予定の、Hosteria Ayelen

快調な山岳ドライブは続く・・・ウスバジャクで折り返すように右折、すぐのレストランで休憩する。折しも強風が吹き荒れ、砂嵐のようにほこりが舞い上がる・・・急いでレストランへ駆け込む・・・・ヤレヤレだ。喉が渇いているのでビールを飲みたいが、もう夕方、お腹もすいてきたので早めの夕食とする。アルゼンチンだから、勿論、ビーフ!飲み物は、とりあえずビール、そして赤ワイン。よく冷えたアンデスビールが旨い!しばらくして出されたメインディッシュのビーフ、なんと450グラム近い”塊”!・・・・こんな塊、食ったことはない、が・・・・何とかワインとビールの力を借りて平らげる。赤身だが味はなかなかのもので、分厚いにもかかわらず心までよく火がとおっていた。

 レストランを出て埃舞う車道に出る。残り100kmあまりである。やがて山岳地帯は終わり、平野部にはいる・・・・快適に飛ばす・・・暗くなりかけた20:00過ぎにメンドーサ市内に入る。ホテルは、市中心部の、Hotel NH Cordillera、小綺麗なホテルである。20:30、到着、チェックイン。時間は早いが、睡眠不足、お腹はビーフで一杯なので早めに休むことにする。


12/15 8:45、チェックアウト。AZIMUTO2名と合流、まず登山許可だ。ホテルから徒歩で10分くらいの所にPermit Officeはある。中に入り申請書に必要事項を記入する。Personal Dataは当然だが、Emergency Caseについても記載しなければならない。傷害保険会社、証券番号、連絡担当者氏名、TEL,E-Mailなど。

【写真右:メンドーサで燃料など買出し】

必要事項を記入、申請書を窓口に提出する。書類作成の間、近くにある納付専用窓口に所定金額を納付する。戻り窓口に納付書を出せばしばらくで許可証を渡される・・・個人で出来ないことはないが、エージェントに頼んだ方がスムーズだろう。


次はショッピング、ガソリン、ガスカートリッジ、等を購入する。まず、スーパーマーケットに案内してもらう。タマネギ、塩漬けの肉、ビール、ワインを購入する。飲み物は非常に安い!

 次に山用品店に周り、燃料を購入する。ガソリンは、在庫が少なく 8リッターしか入手できなかった。計画量より少ないので、ガスカートリッジを多めに15ヶ購入する。(結果的には、両方余ったが)

【写真左:Permit Officeで登山許可を申請する】

 全ての準備が調ったのでメンドーサを離れてペニテンテスに向かう、がトラブル発生!給油のためガスステーションによったところ今日はストライキ!とのこと。全てのステーションが閉鎖されている・・・・どうするか? どのステーションに行っても給油できない!・・・・しかしAZIMUTOは、知り合いを訪ね、事情を話し何とか給油にこぎつけた。1時間ほどロスタイムしたが、無事メンドーサを離れることが出来た。

 途中、昨日のレストランによる。又、あのビーフじゃ胃が持たないので今度はサンドウイッチにする・・・今度は大丈夫だろう、と思いきや200グラムぐらいありそうなビーフサンドが出てきたので仰天!・・・・いやはやこちらの方は食う量が違う!でもこれも何とか平らげ、ワイン、ビール飲んで気分良くペニテンテスにむかう。16:00、ペニテンテス着。

 ペニテンテスのホテルは、Hosteria Ayelen。外観は周囲の景観にマッチしてリゾート風であるが、部屋はあまりよくない。レストランやロビーはいい雰囲気である。サンチャゴからアテンドしてくれた2人とはここでお別れである・・・・・・僅か2日であったが、結構愉しかった。Thank You!

 夕方、ムーラの手配のため現地のAZIMUTO係員:Laurenceさんと打ち合わせる。まず荷物の計量、バネばかりで実貫するが、6ヶで134 kgであった。契約(アドベンチャーガイズ/AZIMUTO)は、ムーラ2頭で、Max. 120 kgだという・・・・結局、超過分については、ムーラ:0.5頭分、105 $支払うことでケリが付いた・・・この程度の超過はサービス!とは思うが、Laurenceさんが女性だったこともあり早めにあきらめる・・・・なかなか商売熱心である。

 荷は、その場で引き渡し、明日、10:00 3人をピックアップすることとなる。
夕食は、ホテルのレストランで取る。スタンダード料理に、辛口の白ワインを飲んで明日からの活動に備える。ワインは、メンドーサ産で辛口の口当たりが非常にいい・・・つい追加を頼んでしまい、少々飲み過ぎてしまう。



12/16
 10:00、Laurenceさんが迎えにくる。Laurenceさんは、富士山に登ったことがあるとのこと。昔、クライマーだった、という。車内で、帰りのムーラの手配、プラザ・アルゼンチーナでのコンタクトパースンの名前、等を教えてもらう。

 数分のドライヴで出発地点の、プンタ・デ・バカスに到着する・・・・10:30、いよいよ記念すべき一歩を踏み出す!すぐ先を4人組が歩いている。プンタ・デ・バカスは、標高:2400m、今日の泊まりは、パンパ・デ・レーニャスで、標高:2800mである。標高差は、400mしかないが、バカス谷沿いのトレッキングで距離はおよそ14 km、5時間ほどの行程だろう。

【写真右:本遠征のスタート地であるプンタ・デ・バカス】

 我々より先行していた4人組に追いつく。彼らは、黒人、フランス人を含む多国籍軍、でカナダのモントリオールからとのことだ。彼らとは以後、前後して進むことになった。

 少々風は強いが、カラカラに乾き切ったバカス谷沿いの右岸につけられた歩道をすすむ。花も所々にあり乾性お花畑風のところもある。
 取付付近には少し樹木があったが、全体的に植生は貧弱である。しかし谷は明るく初夏の雰囲気である。

【写真左:足取りの軽いムーラとドライバー】

 しばらく狭い谷を進むが、そのうち谷が開け、豊かに張り出した山裾の丘をこえ、広い河原を歩きまた丘を越える・・・・・・両岸からせり上がる岩山、岩峰は、標高:3500〜4000mに達する・・・・初めはものめずらしく見上げていたが、そのうちくさるほどある4000m峰にいちいち気を止める余裕もなく、ひたすら歩くのみ。3.5時間を過ぎたあたりで、顕著な二俣に出る。マップと照合・・・残り1時間ちょっとくらいだとわかり一息つく。

 サボテンのような棘を持つブッシュの中の踏み跡をひたすら辿れば、後方に動物の気配!振り返ると・・・・ムーラの一群が見る間に近づき、追い越していく・・・・おお、早い!早い!我々のバゲージも通過していった。ムーラの跡をテクテク追い丘の上に出るとようやく本日の泊まり場、パンパ・デ・レーニャスが目にはいる。



バカス谷の右岸を行く 5時間近くなってようやく
本日のサイトにつく

パンパ・デ・レーニャスのテントサイト 1日目、元気な3人組

 15:30、到着。カナダ4人組も前後して到着した。ここは風が吹きまくっている。早速、レンジャーのところに行き、チェックインする。ゴミ袋を渡される。チェックアウト時に返納しなければならない、とのことだ。アグア?と聞くと、外のバルブを開ければ出る、トイレは、ボックスを使え、との指示である。
アグア(水)はすぐ外にあった。となりのカマボコテントの横を通る、とヒラヒラする小さな張り紙?・・・・・・ビール!

 今回は、下山するまで禁酒、とひそかに念じていたが・・・まあ、そんなに頑張ることもあるまい・・・1人1缶だけもとめる事にする。
ムーラの運んだバゲージを回収する。キャンプサイトは結構広いが、風が強いので、風除けの石積みのあるサイトに設営する。降雨は、100%無いので不要なものは全て外に出し、手足のばしてゆったりくつろぐ。今日は、初日、思いのほか疲れたので早めに就寝。



12/17 今日は、昨日より距離が長い。早めに起床、荷物を整理してムーラドライバーに指示された場所にバゲージを運ぶ。気温は低く風が強いので、ウインドブレーカー等最小限必要なものをまとめザックに詰める。

 08:10、出発する。昨日は右岸を歩いたが、今日は左岸へ渡渉しなければならない。しばらく平坦な台地を行く、と標識!ここが渡渉地点か・・・と谷を除くと・・・なんと鉄橋がかかっているではないか。これは予想外であった。てっきりパンツ1枚になり、サンダルはいて渡渉と思い込んでいたので・・・・いやいやラッキーというか、助かったというか・・・・・よかった、よかった!

 左岸へわたり段丘へ登る。ここらは少し谷が狭まっているところだ。段丘を越えると谷が大きく開ける。ゆる〜い傾斜の段丘を登っていけば・・・・・彼方には次の段丘が待ち受けている・・・・・・それを越えると・・・・また、段丘が!・・・・・そして、またまた段丘!


今日の行動予定時間は、6-7時間。出発して鉄橋を渡れば、あとは飽きるほどのダラダラの丘越えがつづく

広大に開けた谷。等高線の幅は広く、ダラダラといつまでも、しかもいくつも丘を越えねばならない

 
 時には、綺麗な花にも会うが、踏み跡が突然消失する土石流の跡のような汚く埃っぽいガレもある。なだらかなようだが、ワジも多く、横切るのに結構アップダウンを余儀なくされる・・・・・おまけに冷たい向かい風!・・・・まるでさ迷い歩くような数時間の彷徨を耐えれば、前方に大きく開けた河原を望める場所に出る。

 踏み跡は水際ギリギリに押しやられる。右手の壁はボロボロ・・・渋〜いヘツリが終わると、河原の淵を行く。しばらくで今度は鮮やかな緑の囲まれた池糖のような澄んだ静かな流れ・・・・・立ち入り禁止の立て札がある。

【写真左:右手はボロボロの岩、ちょっと渋いヘツリ】

 左手広大な河原に目をやると・・・・対岸はV字状に割れ、その奥に雪をいただくひときわ高い壮大な峰!・・・・・アコンカグア(6962m)である・・・オオッ!感動の初対面!

 アコンカグアを見せる谷は、Relinchos谷で、今日のキャンプサイト、カサ・デ・ピエドラは一投足のところにあった。14:10、到着。大岩を利用した小屋とトイレボックスがあるだけである。しばらく休んでいるとムーラが到着する。昨日と同じ様にバゲージ回収、テント設営する。我々より少し遅れてカナダ4人組も到着する。彼らは、陽気な4人組で、つたない英語で情報交換・・これが結構、楽しい!

 よく開けたところだが風が強いので外で炊事できないのが残念だ。すぐ横を左岸の丘から清水が流れているが・・・これは飲めない。丘の上にムーラの泊まり場があり、ムーラの糞でいっぱいだ。ボイルすればよかろう、と専門家:岡村の意見。しかしカナダ組の女性が言うには、・・・ボイルしてもダメ!腹壊し下痢する!水は、ホース引水の水を濾過し、ボイルして使いなさい・・・ということでその指示に従う・・・が、実はホース引水の水源にもムーラの糞があり多分汚染されているはずなのだが・・・・・しかし断言したのだから何らかのデータがあったのだろう。幸いにも、我々は全員、快腸でした。

強風と汚染された?清流、を差し引いてもここは広々とした気持ちのいいサイトである。今日は単調な丘越えだったが、泊まり場がよかった・・・・ここは、すでに穂高より高い標高:3200m、風が気になるも2日目も気持ちよい夜を過ごす。


Relinchos谷の彼方にアコンカグアが顔を出す・・・・感動の初対面である
ここから標高差は、富士山と同じ、3700mだ

貧弱な植生だが高山の花は綺麗だ 開放的なカサ・デ・ピエドラのキャンプサイト。ここも風が強い

12/18 昨日の夕方、ムーラドライバーから要望あり。明日は、プラザ・アルゼンチーナにはいるが、折り返し下山しなければならない。そのため出発を、7:00前に出来ないか?・・・・OK, No Problem!・・・というわけで今日の出発は、06:40になった。
今日はまず渡渉がある。山靴のままでは渡れそうにないのでサンダルを履く。さすがに3200m、朝は冷え込んで水際は一部、結氷している。膝下くらいの渡渉となるが、水の冷たいこと、冷たいこと・・・・全身が凍りつきそうなくらい冷たい。

 渡渉を終わり山靴に履き替え、Relinchos谷左岸の踏み跡をたどる。しばらく行くとスノーブリッジがあり右岸に踏み跡が見える。渡ろうとしたら丁度右岸を登っていたムーラドライバーが、左岸をそのまま行け、と指図する・・・そうか、左岸のままだな・・・・しばらく左岸を伝うが、結構切り立っており足下注意!しばらくで大きなスノーブリッジに出合う。ここで道のはっきりしている右岸に渡ろうと思い、雪渓の下降にはいるが、堅雪でキックステップが効かない・・・お〜い、ピッケル!と言ってすぐ気がつく・・・・ピッケル、アイスバイル、ザイル、等はみ〜んなムーラの背中ではないか!仕方ないので、鋭く割れた石片で、8ヶほどステップを刻みようやく下降できた・・・・石器時代?の雪山?もこうしたのかもしれない!・・・。

 右岸を行けば、これが次第に悪くなる。ぼろい岩のトラバースなどあり・・・やはり左岸が本当かも知れぬ。しばらくで谷がゴルジュ帯になるところに出た。左岸へ渡渉せざるを得ない。よく見ると左岸に立派な踏み跡がある。最も狭いところを飛び越すことにするが、水際の石は、氷結してツルツル!
真剣なジャンプで左岸へ!やれやれ、やはりドライバーの言う通りか。


早朝、水際は氷結!サンダルはいて渡渉・・・・・Relinchos谷にはいる

 谷は、ゴルジュ、踏み跡は、左岸を大きく高巻く。ジグザグに高巻けば、昨日より大きなアコンカグアが姿を見せる。高巻きが終わり河原へ下降、今度は間違いなく右岸へ渡渉しなければならない。ウロウロして渡渉点をさがし、山靴のままで右岸に渡る。ここから谷は大きく伸びやかに開けており、ここからBCのプラザ・アルゼンチーナにつくまで正面にアコンカグアの雄姿を見ながらの登行となる。丘を越え、小谷を越して、また丘を越える・・・・しばらくでムーラの一群が軽やかに追い越す。

 また丘を行く・・・植生がいよいよ貧弱になる。そろそろ標高が、富士山を越える・・・当然、息苦しくなる・・・・既に植生はなく、赤がれた荒野の様相!・・・・BCとなるプラザ・アルゼンチーナは、標高4200mだから、高度順応の第一関門である。息が切れないように、ゆっくり歩く・・・・・やがて広大な広場に出る。右手台地上にあがると、プラザ・アルゼンチーナの標識、そして見渡すと、テントは少なめ、カマボコ型テントの集落が数ヶ所・・・・・ようやくBC到着である。時刻は、13:40、今日は、7時間を要した・・・・お疲れ様です。



ゴルジュ帯ヲ右から大きく高巻いてこえるとアコンカグア(左奥)が全容を見せる

左が、Co. Aconcagua:6962m(アコンカグア)、右は、Co. Ameghino:5918m

この雪形、何に見えるかな? 正面は、ず〜とアコンカグアだが、振り返れば残雪の山並

下山中のムーラ・・・・我々と違い足取りは軽快! 4000m近くなると植生が途絶え無機質の世界

ペニテンテスの立つ?広大な広場を回りこんで台地に上がればプラザ・アルゼンチーナである
シーズンが早いのか、テントの数は少なく、ひっそりした感じだ

 
 早速、テントサイトを決め、バゲージを探す。すぐ近くの大きなカマボコテントに行き尋ねる。
Excuse me, but ・・黒いバゲージ:6ヶ届いていないですか?・・・・ムーラ会社は何処なの?・・・AZIMUTOです・・・・(下方のカマボコテントを指差し) それなら Daniel Lopez Expeditionだわ・・・・・Thank you!・・・・You are welcome!.

【写真左:Daniel Lopez Expedition のカマボコ型テント】

 Daniel Lopes Expeditionと表示されたテントに行くと、我々のバゲージが置かれていた。Nr.Daniel に伝票をみせバゲージを引き取る。Mr.Danielが、お茶飲んでいけ、というのでテントの中にはいる。

 中には、テーブル、数脚の椅子、お客さんが数人、読書している人、食事している人・・・・奥が厨房で、コンロ、オーブンなどがそろっている。ムーラの手配連絡用の無線機も置いてある・・・お茶はフリー、缶ビールは5$、食事は、ビーフ、ポテトフライ、ピザ、等できるよ・・・・・そうか、ウェブサイトの記事でビールあり!とはこの簡易レストランのことだったんだな、と納得。美味しい紅茶を2−3杯いただき今日のところは引き上げる・・・・下山する時はお世話になろう。

 我々のBCには、6人用ダンロップを設営する。風が強いのでポールからも張り綱をとり固定する・・・・風が強いけどしっかり頑張ってね!ダンロップ!。

 落ち着いたらレンジャーステーションにいってチェックイン。高所キャンプに於ける排泄物処理ペーパー袋を受け取る。更に、メディカルチェックを受けるように指示された。多分、血圧と血液中の動脈血酸素濃度の計測だろう。今日到着して今日受検したのではいい数値は出ないだろうから、明日でいいか?と聞くと、OK!

 水はホース引水から取れるが、かなり汚い。浄水器で濾過、ボイルして使うが、3人で毎日最低10リッターは必要だ・・・・冬山と一緒で飲用水作りが仕事になる。一つ心配なのは明日のメディカルチェックだ。持参したパルスオキシメーターで計測したところ、3人ともに、85-88%。文献では、動脈血酸素飽和度が、3000m〜4500mの場合、90〜80%となっているからまあ大丈夫だろう。問題は、血圧である。岡村が高血圧気味で、通常降圧剤を飲んでいる。これに利尿・降圧剤であるダイアモックスをとれば下がりすぎてチェックがはいるかもしれないし、とらないで高く出た場合もまずいなあ・・・・いろいろ思案してどちらも半分程度にすることで落着、ついでに明日のチェックで3人のうち1人でも下山を命じられたら全員下山する、ことを決めて横になった・・・・さて、どんな判定が出るのか?

 夕方、ヘリが飛来して、またすぐに飛び去った。風は、相変わらず強い・・・いつになったら静かな夜も迎えられるんだろう。



我々のベースは、ダンロップテント(6人用)である・・・・強風が吹き荒れるので頑張ってネ

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