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会員の近況報告(〜2009.02)


八ヶ岳:中山尾根〜横岳 2008.12.31-2009.01.02
Approach
往路(12/30-12/31) 山の会事務所(21:45)〜滝野西SA(01:47)〜多賀SA(04:15)〜阿智PA(06:26)〜諏訪湖SA(07:20-08:00 朝食)〜美濃戸口(08:35)

復路
(01/03)
美濃戸口(08:37)〜内津峠PA(10:40)〜西宮名塩SA(12:44-13:15 昼食)〜道口PA(15:06)〜玖珂PA(17:01)〜山の会事務所(17:51)
Course Time
12/31 晴れ〈柳川南沢〉 美濃戸口(09:30)〜美濃戸(10:20/10:30)〜行者小屋(12:40/13/20 昼食)〜赤岳鉱泉(14:20)  

01/01 晴れ/曇り〈中山尾根〉 赤岳鉱泉(07:54)〜中山乗越(08:30)〜取 付(09:20-10:00)〜横岳【縦走路】(15:20)〜赤岳鉱泉(16:50)

01/02 曇り/小雪〈柳川南沢〉 赤岳鉱泉(07:35)〜行者小屋(08:23-09:15)〜美濃戸(11:31-11:50)〜美濃戸口(12:37)

参加者
■中原、他3名




 八ヶ岳のバリエーションルートは3年前の赤岳主稜以来の挑戦。今回の中山尾根は技術的にはW+の箇所があるので、前回よりグレードが上となる。バリエーションルートの登攀は天気の安定が第一条件だ。この正月の天気は北アルプスが大荒れであったので不安視されたが、八ヶ岳の山域は天気に恵まれ、中山尾根を無事踏破することができた。

 初日は赤岳鉱泉までのアプローチ。この日が最も天気がよく、行者小屋からの眺望は抜群。横岳〜赤岳〜阿弥陀岳のスカイラインがクッキリ・スッキリ綺麗に見える。また、山小屋の窓からは夕映えに染まる赤岳(アーベントロート)も観えるおまけまでついた。



素晴らしい好天に恵まれた初日!
行者小屋付近から望む横岳(中山尾根):写真左、赤岳:写真右

 
 2日目はいよいよアタックの日。中山乗越から一般登山道をはずれ、東へ延びるトレースを辿る。鬱蒼とした樹林帯を抜けると、待望の中山尾根の下部岸壁(写真:左)が姿を見せた。取付点には、先行パーテーィが2組。順番待ちを余儀なくされ、40分も時間を費消する。待ち時間、隣の石尊稜を眺めると、小さい人影が確認でき、コールも聞こえてくる。登攀開始は10時になってしまう。

(1P目)Fさんがトップをいく。ガイド本の指示では取付から一段下がって凹角に入りこれを左上するとあるが、直上ルートを選択。一段上がってボルトにヌンチャクをセットするが、思ったよりもホールドが甘く、いきなりの腕力登攀で抜ける。登り始めの2mがこのピッチの核心。手袋とアイゼンを付けての冬期登攀は見た目3級程度の岩場でも、細かいホールドが雪に埋もれてしまうと厳しい。

(2P目)頭上の凹角も行けそううであったが、左のスラブをトラバースして、灌木を足掛かりにして、草付きを攀じると、下部岸壁は終わりだった。

(3P目〜4P目)灌木と岩混じりの雪稜が続く。前半は緩斜面の快適な雪稜でザイルを巻いて登る。ノーザイルで特に問題なく進めた。

左手に見える大同心・小同心は威嚇するかのような形相で、登るにつれて迫ってくる。一方、右手は灌木越しに見える赤岳・中岳・阿弥陀の白い山肌と紺碧の空とのコントラストが素晴らしい。
加えて、ダイヤモンドダストも観測できる大プレゼントがある。まさに至福のひとときである。
Aさん曰く「ここは極楽じゃ〜」と・・・・・

 4P目は傾斜が増してきたので、灌木でランニングビレーをとりながら登り、フィックスロープにして、プルージックで進む。

(5〜6P目)いよいよ上部岩壁(写真:右)。中段のテラスで短くピッチを切る。日陰での待ち時間は寒さで手足がジンジンしてくる。

 トップのTさんとFさんも、かぶり気味のクラックの出口で少々もたつくが、無事切り抜ける。出口付近の体を乗り出す所は思い切りが必要だ。ここが、ルートを通じた核心部。

(7〜8P目)草付と岩混じりの雪稜をフィックスロープで登っていくと、左手にトサカのピークが大迫力で迫ってくる。左側の急な草付きを越えると岩稜に出る。ここが実質上の終了点。      

(9P目)岩稜上からは右にバンドをトラバースすると、縦走路に3時20分に出る。

取り付きから5時間20分で登攀を終了!!

取付から5時間20分で登攀終了! お疲れさんでした


 緊張感から解放されるとともに、これたなぁーと充実感が沸く。横岳をバックに記念撮影後、地蔵尾根を下る。樹林帯の安全地帯に入りやっと、大休止。今日初めて行動食を口にする。これで、明るいうちに赤岳鉱泉に帰れることを確信する。3日目は阿弥陀北稜を予定していたが、稜線は雪煙が上がり、まったく視界がきかない。天気が不安定になってきたので、今回は見送ることとした。

(反省) バリエーションルートに小屋泊で挑戦する場合、小屋の朝食を待っていると、出発時間が遅れるので、朝食は持参したい。パーティが4人の場合、ザイル1本では効率が悪いので2本用意したい。

Report & Photo Presented by K. Nakahara



2008.12.07 忘年山行


今年も、愉しい山行ありがとう御座いました。

2008年
に、そして2009年
いい年でありますように!

乾杯!感佩!


 本年も、小倉北区森林公園;『桜の園』にて盛大に忘年会を開催しました。メンバーの大半は、寺内(門司区)から戸ノ上山を経て足立山まで縦走、会場へ向かいました。メニューはいつものように加藤農園の新鮮な野菜中心の鍋、箕島のおいしい牡蠣。
 3時間ほど愉しいひとときを過ごし、無事?解散となりました。今年は、必ずしも満足行く年ではありませんでしたが・・・・・来年に期待をこめ、納得いく山行を目指しましょう!

 1年間、お疲れ様でした。





夏の御嶽山 2008.08.23-24
 
 いつぞや台風のため中止した木曾の名山:御嶽山に出かけることになった。御嶽山は、宗教登山・観光登山の山のように思われているが、ロープウェイでいけるのはせいぜい標高2000mあたりまでで、残り1000mはちゃんと自分の足で歩かねばならない。

 又、森林限界を越える標高:3000mは、やはり魅力的であり、夏の雪渓とお花畑、雪がつけば白銀に輝く高峰となる。

(写真下:木曾駒ヶ岳から望む
初冬の御嶽山)

 頂稜は南北に長く、いくつかのピークといくつかの池を擁している堂々たる体躯の3000m峰であり、暑苦しい盛夏に、爽やかな高山の風を期待できる数少ない峰である。

参加者 西方、江島、岡村M、三栗、川中、高木、久保、以上7名
コースタイム 
 08/23:中ノ湯駐車場(07:00)〜女人堂:8合目(08:40/09:00)〜三ノ池避難小屋(10:50)  
 08/24:避難小屋(06:20)〜賽ノ河原(06:55)〜二ノ池(07:30)〜剣ヶ峰(07:50/08:10)〜女人堂(09:00/09:15)〜駐車場(10:15)
 


23 Sep. 参加者は、女性5名+男性2名の計7名である。少し余裕のある10人乗りで出かける。今回は、比較的アクセスの楽な中ノ湯から入山することにした。天気情報では、曇り時々雨の予報であったが、ハイキングだから雨でも歩けるので気にせず出発する。直前予報は的中する確率が高いが、たまに外れることもある。山は行って見なきゃわからない。

 ドライブは順調、R19を北上、木曽福島から県道R20にはいる。羽入からR473へ、そして標識に従い霊峰ラインを行く。途中、右手に御岳ロープウェイ方面を見送れば標高:1800mの中の湯駐車場に到着する。広い駐車場で売店とトイレがある。
 
 支度をしていると、小雨になった。やはり予報どおりか。今日は仕方ないが、明日に期待して今日は行けるところまで行くことにする。7時出発。広い林道を行けばすぐ中の湯支店があるが、閉鎖中。
 登山道は、木の階段でよく整備されている。淡々と登っていくだけだが深い樹林帯の道は、小雨にもかかわらずなかなか爽やかである。更に15分ほどで御岳百草丸の日野製薬の小屋前を通過、オオシラビソやコメツガの原生林のなかをノンビリ登って行けば、通称飯森小屋(八海山支店)に出る。小休止して八海山大神に安全祈願・・・弱い小雨は相変わらずシトシトと降り続く・・・

 しばらくで7合目行場山荘である。かなり大きな小屋だが、誰もいない。ここで御岳ロープウェイの終点からの登山道が合する。ロープウェイ頂上駅まで10分程度でいけるようだ。黒沢口登山道を目指す登山者の多くはロープウェイ経由のようである。頂上駅が、標高2150mだから、3000mといっても標高差だけで言うなら近郊のハイクと大差ない。
   7合目から少し登山らしくなる。沢をわたると傾斜もいくらかましてくる。樹林帯からダケカンバなどの潅木帯が現れてくると森林限界の高度になってくる。やがてハイマツも見られるようになると八合目女人堂に着く。

小雨の中出発準備 すぐに中の湯支店に出る 飯森小屋(八海山支店)で休憩
八海山大神に安全祈願 八合目女人堂に到着 赤く色づくナナカマドの実

 
 森林限界を越えている標高2470mの女人堂は、風が強く、急に気温が下がったようだ。ここから上部は雨風にまともに曝されそうである。風が強ければ稜線での幕営もままならないし、当初予定していたサイノ河原避難小屋も満杯で入れないかもしれない、と思い頂稜へはいかず、三ノ池に向かうことにする。三ノ池避難小屋が空いていればいいが、満杯でも頂稜ではないので風も幾分弱く幕営は可能だろう。

 分岐から右に入ると、風はぐんと弱くなる。ハイマツの斜面につけられた登山道を辿る。道は明瞭だが、所々岩がゴロゴロした箇所がある。右手が鋭く切れ落ちた所をトラバースしていくと雪渓の残る沢を横切る。さすがに3000m峰、急に高山の趣が出てきたのかこの辺りから高山植物が愉しめるようになって来た。やがて連続するハシゴの急崖を登り尾根を回り込んでいくと、彼方ガスにかすむ尾根上に、輪郭のおぼろげな小屋が目にはいる・・・やっと雨風から解放されそうだ。

 三ノ池のほとりに建つ避難小屋は、風当たりが強い!しかしながら小屋の中は別世界である・・・・・雨にも風にも無頓着な時を過ごすことができる。しかし、昼前に小屋入りしたから日が暮れるまで長〜い時間を過ごさねばならない。時たま、雨風を避けて非難客が訪れるが、泊まりの客は来ない。もう来客はないだろうと思われる夜の帳がありる頃、寝床を作り早々と横になる。

登山道は明瞭だが・・・・急崖のトラバースは慎重に進む
雪渓とお花畑に出会う・・・・さすがは3000m!
お花を愛でるのもそこそこに避難小屋へ向かう・・・・連続するハシゴの急崖を登れば小屋は近い
風雨を避けて、三ノ池避難小屋でくつろぐ・・・・ビールが美味い!

24 Sep.天候回復を期待したが、残念ながら外は霧雨である。しかし強風はおさまった。今日は、サイノ河原を経て剣ヶ峰ピークを踏んで黒沢口登山道から下山する予定である。
 06:20、小屋前で記念撮影し頂綾へ向かう。ハイ松の濃い緑を分けて進めばしばらくで登山道はトラバース道に合流する。ここは左折し左斜上する。
 ガレた道をたどれば最後は急坂となり頂綾に出る。

 左手に白竜教会、右手にはサイノ河原非難小屋、三ノ池までは登山者はわずかだったが、メインストリートのここはにぎわっている。見ると非難小屋は登山者でいっぱいだ。昨日はこの非難小屋まで来なくてよかったかもしれない。

 緩やかに下って賽の河原をいく。濃いガスにぼんやり浮かぶ諸所に詰まれた石塔、点在するお地蔵さんがなんともなんとも奇妙な気分にさせる・・・三途の川を渡っているんじゃあるまいが・・・

 河原を過ぎ少し登れば二ノ池本館に出る。ここで小休止。ここも団体さんの出入りが多い。二の池本館前を通過、日本最高所の二ノ池のほとりを通過、黒沢口登山道と合して剣ヶ峰に向かう・・・
石段を登れば剣ヶ峰のピークである。小雨とガスで眺望はないが、3000mのピークを踏んだことで満足する。

御嶽山最大の池、三ノ池のほとりに立つ避難小屋をあとに頂稜に向かう
ガスに煙る白竜教会、サイノ河原避難小屋
のある稜線を見上げる
写真上:三ノ池辺りから頂稜を仰ぐ
写真下:サイノ河原避難小屋
サイノ河原を行く・・・・・ガスに包まれると何とも奇妙な気分になる?
日本最高所の二ノ池のほとりを通過、黒沢口登山道と合して剣ヶ峰に向かう・・・
石段を登れば剣ヶ峰のピークである
剣ヶ峰頂上。残念ながら雨とガスで視界は無い

 ピーク直下の小屋でお神酒を購入、恭しく味わって山の神に感謝、下山にかかる。二ノ池方面の道を左に見送り直進。覚明堂、石室山荘あたりまで下るとガスも取れ明るくなってきた。これから剣ヶ峰を目指す多くの登山者とすれ違う。
よく踏まれた道を淡々と下って行けば、霊神碑のたつ女人堂に出る。


8合目女人堂で大休止。振り返れば、ガスが取れ緑のハイマツ帯から岩稜の連なる頂稜がみえる。ハイ松と岩稜がそろえばやはり高山!下山間際でやっと3000mの御嶽山を実感する。

 小休止して身支度を整え、腹ごしらえして下山にかかる。木の階段の多い登山道をひたすら下れば、中の湯駐車場。時刻は、10時15分過ぎ、今日はわずか4時間の行動時間でした。

中アから臨む堂々たる体躯の御嶽山、今回はわずか一部の周遊でしたが、高山の雰囲気は十分味わいました。次回は、雪のある時、訪れることにしましょう!みなさん、お疲れさまでした。


黒沢口登山道を下る 8合目、女人堂到着
ようやくガスが取れ頂稜が見えるようになる・・・・が、ここ8合目が見納めです


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