大台ケ原 中の滝登攀 山行報告
■■■ 2010.08.14-15 ■■■

 
 参加者 赤澤、岡村繁雄

 08/14

午後2時40分北九州発、お盆の帰省ラッシュに巻き込まれるのをかくごの上で、奈良県大台ケ原へと車を走らせた。高速で宝塚の前から渋滞を抜けるのに約1時間以上を要した。結局23時40分大台ケ原駐車場に到着、軽く食事を取って車中泊。

08/15 曇りのち晴れ

6時前起床 下界に比べちょうどよい気候であるがやや睡眠不足で眠い。7時30分からの大台ケ原ビジターセンターで「西大台利用調整地区」に入るための事前レクチャーを受講するため待つ。今日のレクチャー受講者は、我々2名のみで、登攀を考慮してもらい説明を短縮してもらった。

大台ケ原駐車場7:40発、売店の横から整備された登山道をシオカラ谷吊り橋へ下っていった。


事前レクチャー後 駐車場売店の横から出発

シオカラ谷吊り橋への下り            進入禁止の看板をくぐる

 
 8:00シオカラ谷吊り橋を通過。
進入禁止の看板をくぐって、滝見尾根をどんどんと下る。沢を右手に途中数箇所分岐があるので間違わないようにし、途中で中ノ滝の上部を目の前に見ることが出来る。シオカラ谷9:05着 西ノ滝と中ノ滝の間に出る。

ここで沢靴に履き替え登攀具を準備、中ノ滝の取り付きに進む。

滝見尾根より 左 西ノ滝  右 中ノ滝 を望む
滝見尾根を出た場所より西ノ滝を望む 中ノ滝の直下

1ピッチ目

 9:45取り付は、滝の右手より取り付く。3級程度の簡単なルートではあるが、水の流れがあり湿っていて、まだなれないせいもあり一歩一歩を慎重に草付までザイルを伸ばす。左トラバース後、数メートル登るとすぐ残置ボルト3本確認できる。

1ピッチ目の取り付付近 ここを回り込み数メートル上がるとボルトを確認


 2ピッチ目
 4級−ぐらいで、プロテクションを取らずそのまま快適に登る。

2ピッチ目をリードする赤澤さん

 3
ピッチ目
 4級、念のためプロテクションをブッシュに一箇所とってザイルを快適に伸ばした。大テラス前でピッチを切って小休止、この頃から晴れて青空が広がってきた。大テラスまでは、ザイルを引きずりコンティニアスで進む。


3ピッチ目を登る
大テラスの直下 確保なしで行く なかなかの高度感である
奥に西ノ滝が少し見える

4ピッチ目 大テラスの取付きからよく見ると途中にハーケンを確認。まずそこまで難なく登れる、ここは、A0で、上の段のバンドに乗り移り、微妙なバランスでスタントをひらって突破、4級+くらいだろうか。セカンドの赤澤さんが確認したのだが、その上部にもう一本ハーケンがあったらしい、二段連続A0で登ったとのこと、私は、気がつかなかったがかなり楽に登れたとのこと。

 その後、少し上のコーナにハーケンが浅く撃ってあったが、あまりあてにならないが、とりあえずプロテクションを取って左の立ったスラブにトライ。ここを微妙なバランスで、乗っ越すと8畳のテラスに到着。4ピッチ目で赤澤さんは、かなりてこずったようで、登って来るのに少し時間を要した。

4ピッチ目 この少し先のハーケンで、A0で登る

8畳のテラス 8畳のテラスから登り始め


5ピッチ目
 11:55 8畳のテラスからは、左の滝の脇から濡れている。傾斜の緩い場所から取付く。右トラバースぎみに行き直登。しっかりとしたハーケンにプロテクションを取って左に回りこんでその上の小テラスへ、ルートを間違えなければ4級−ぐらいである。

5ピッチ目


 6ピッチ目
 この辺からはほとんど草付で問題ないと思っていたが、小テラスの右ぎみから登り始めそんなに難しくないと思っていたが、30mくらい登ったとこるで、左は2、3mまっすぐの乗っ越しの岩で、上がまったく見えない、右は、下部の1m、2mがチムニー状でその上が広めの草付クラック。いずれもプロテクションを取る箇所がない、やむなく右のチムニーへ取り付く、チムニーに体を突っ張って入り込んでせりあがっていったが、先の広めのクラック内には、しっかりとしたホールがなく、小枝と草をつかんで「ぬけないでくれ」と念じ、右側の岩ホールドをさぐり、何とか右側の岩に乗り移り上がり込んだ。

 後で他のホームページの記録を見ると、われわれが登攀したルートの左側のルートで、滝のすぐ横を、アブミを使用して突破しその後、滝の落ち口へ木登りで抜けているようである。右のルートは、草付を微妙なバランスで登り、われわれが抜けたルンゼをつめて、上部岸壁の弱点をついて尾根に抜けているようである。われわれが登攀した真ん中のこのルートは、抜け口が下部がチムニー状でその上が広めの草付クラックでややてこずっつたため、4級+としてみた。

6ピッチ目の下部 6ピッチ目の上部、
この先下部チムニー上草付クラック

 7ピッチ目
3級、〜2級、最初は、岩と草付を一歩一歩登り、最後はブッシュが切れ50mいっぱい延ばし、ルンゼに出る。ザイルを引きずって登ったが、ザイルなくても問題ない程度である。

7ピッチ目の終了 まじか 木登りの途中 滝の落ち口直下付近


傾斜の強い藪こぎ(木登り)

 ルンゼを少し詰めて、滝の落ち口であろうと思われる箇所が10時方向に見えるあたりで、左の草付から斜めに入り込み上部の岸壁の際を目指した。木登り気味でとにかく行けるとこまでいってみようと思い登る。上部岸壁の際につく、ここから滝への方向へ岸壁の際を進むと滝のすぐ横までたどり着く、そこからは、傾斜のきつい木登りでザイルを延ばす、しっかりとした立ち木を拾って登る、途中ザイルの流れが悪くなるためこまめにピッチを切った。

滝の落ち口らしい感じのところをのぞき込み確認、滝の落ち口に抜け出ることが出来る。後半、ルートファイティング山慣れしていないと、難しい。今回も、滝の落ち口に抜けられるとの先人のクライマーのホームページを確認できていればこそのルート取りである。感謝したい。

滝の落ち口からの撮影(抜けるところ) 赤澤さん到着、左の写真はこの位置から撮影

14:40やっと滝の落ち口に到着、なかなか面白く充実したルートであった。

お疲れさまでした。登攀終了 中ノ滝より尾根をつめる
途中の掲示板

 
 中ノ滝を抜けてから登山靴に履き替え、尾根を忠実に登っていく、下草がなく沢の抜け口にしては、快適なルートである。深呼吸をして自然を満喫して、駐車場を目指す。  大台山の家直下の縦走路に15時47分出る。大台ケ原駐車場16時着。〔行動時間8時間20分〕

 暑い盛りのこのルートは、あまりお勧めできません。もう少し涼しくなってからが良いでしょう。中高年の沢登りクライミングルートとしては、一日行程でなかなか楽しめるルートと思います。

 

  Reported by S. Okamura
Photo presented by K.Akazawa & S. Okamura