

Remark: ルート図の写真は、当日撮影したものではありません
我々は、10ピッチで登ったが、パーティで異なるのは当然のことだ。50mザイルだが、少し足りずセカンドに少し登ってもたったピッチもあるし、30m程度で切ったピッチもある。
アプローチ:
元谷大堰堤を越え弥山沢に入る。週末の好天を狙って多くのパーティが入山しているのでトレースがしっかりついている。
別山へのトレスを見送り東稜末端へまっすぐ向かう。途中から中ノ沢へもトレースあり。2人1パーティがラッセル中。東稜末端には6-8名ほど準備中のようだ。我々が末端についた時は既に全員出発していた。
準備して取り付きに向かう。新/久保、原田/赤澤の2パーティとする。ザイルは、50m、60m各1、非常時用に30m×1も持参する。
尾根末端から右手雪壁を少し登ると取付である。
1P:先行者のトレースをたどる。雪に締りがなくアイゼンが効いているのかいないのか心もとない感じだがずり落ちないから効いているのでしょう。40mほどで露岩のあるリッジに出る。小テラスあり。露岩のリングボルトにビレーをとりリッジを右から巻いて雪壁を登ると先行パーティがビレー中。
このピッチ、50mでは足りないのでセカンドに少しあがってもらう。
2P:小さな岩を乗り越せば少し傾斜が緩み進めば2つ露岩。ここにもボルトがある。多分、はじめの露岩でピッチを切れば、ここが2P目のビレーポイントになるのだろう。
露岩を越えると少しかぶり気味の岩場、一歩が少しいやらしい。しかしブッシュがあるので助かる。
3P~7P:ブッシュをビレーポイントにした雪稜になる。岩の乗り越しが1ヶ所あるがあとは概ね快適な雪稜。所々、氷壁状になっておりバイルが非常に気持ちよく効く!
8P:7P目のビレーポイントからは40mほど雪稜が続き壁に突き当たる。見るとルートは2つあり、直登ルートは岩が露出した岩場、もう1つは少し右にトラバースしてルンゼを登るルートである。
先行パーティの様子ではどちらもランニングビレーは取れないようだ。右のルンゼを行くことにする。このままではザイルが足りなくなりそうなので、20mほど登りブッシュを掘り起こしてビレーをとる。
このルンゼは草付岩場のようでステップが決まりにくく、アイゼンも心もとない。ルンゼ下部はワラをもつかむ、ではなく枯れ草をもつかむような気持ちでじりじり登る。上部はブッシュが手懸りとなり幾分楽になる。しかし雪がしっかりついて締まっていたらダブルアックスでスイスイと登っていけるんだろうと思う。
9P:少し右にトラバースするが、しっかりついている様に見える雪だが、壁に乗っかっているだけだから始末が悪い。回り込んだところでピッチを切る。
10P:比較的しっかりしたステップの残る雪壁を40mほど登ると尾根の肩に出た。ここから傾斜がぐんと落ちるので、実質的な終了点である。正面が縦走路のようで登山者が行き来している。
既に14時を回っている。取り付いたのが9時だから、5時間以上かかっている。途中順番待ちがあったので実質登攀時間は4時間ぐらいか、と思うが、2P、8Pの岩場があるので西稜よりは少しグレードが上だと思う。
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