夕刻北九州出発、高速道を人吉下車、湯前経由で西米良村に入る少し前で道路工事のため夜間通行止めとなっており、「朝6時より通過可」とのことで、やむなくルート219を横谷トンネルより熊本側に戻り少し下ったところにトイレ付のパーキングを発見、トイレ横の屋根付ベンチでビバーク。 |
通行止めの個所を朝一に通過後、鳶のバス停を目指す。しかしバス停は、無く鳶(とび)のバス停跡と思われる廃屋小屋がありその横に駐車、後で確認できたのだがバスは、慎ノ口発電所の対岸経由で山之口まで運転され、折り返しで西米良村に戻るルートで運行されている。 |
トイレ横の屋根つきベンチ | 境谷取り付き | 鳶(とび)のバス停跡 |
廃屋小屋付近より下の一ツ瀬川の境谷入り口の8mの滝を望め、廃屋小屋の裏から 一段下の一ツ瀬川に降りられる。 一ツ瀬川を渡渉後、8mの滝より薄暗い沢に入山、吉川さんの遡行図のCS25mと思われる滝の右岸壁に大きなスズメバチの巣を発見、ここは、遡行図通り左のルンゼをつめ、高度を見計らって右にのっこし高巻く。 |
その後50mの滝では、遡行図通り右を巻く入山して、高さのあるほとんどの滝は、直登出来そうもないため高巻く。 一箇所10mほどの滝の左側壁をへつり気味に、登ってみたが思ったよりスタンスがなく、微妙なバランスでトラバースしたが、セカンドの赤澤さんが10mを残し草付きがはがれスリップ、滝横にズルズルと落下、たまたまあったバンド伝いに上がってくる事が出来たが、ここでかなり体力を消耗してしまったようである。 ここよりは、無理せずなるべく高巻くことにした。 |
10数メートルほどの滝左側のへつりだが、スタンスとなる草付きが非常に不安定であった |
そう難しくなさそうなトラバースに見えるが、この数メートル先が難しい。その後、スリップ! |
石堂山を望む | 幅広10m滝右を巻く。後方が小谷 |
吉川さんの遡行図に示されている右岸の小谷が確認できた。 |
ここまでは、どれがどの滝か遡行図といちいち確認せず高巻きを繰り返してきたが、このあたりより現れる滝が遡行図で確認できるようになる。二俣手前の11m、10mの滝も確認できこれらは右から巻いた。この高巻きに限らずルートファイティングが難しい、いずれも、ルンゼを詰め、どのへんで乗っ越して行くかの判断が難しい。 |
二俣手前の滝 | 二俣到着 |
ルート自体は、簡単な岩登りと木登りの要領でバンドづたいに進むと前が開ける、詰まった場合は、もう一段登りバントづたいに進む、ザイルは念のため1〜2箇所出した程度であった。 二俣は、容易に確認できた、帰りのことを考え今回は、本谷を目指すことにした。 天候の崩れる心配はなため、河原の真ん中をならして、ツェルトを張る。 |
二俣にて水浴! | 最高の気分です! | 二俣のテン場 |
沢で水浴び後、ビール、酒、焼酎に舌鼓を打ち乾杯。これが中高年の沢登りのもう一つの楽しみでもある。 |
4時起床、5時40分出発。 少し行くとやや暗いが、ビバークに適した箇所を通過、左に大きな山崩れの箇所を通り淡々と沢を詰める. 途中数箇所沢が分かれているがコンパスの方位と水量で容易に本谷が確認できる。 |
|
スラブ帯の取り付き付近 | スラブ全容 |
市房山のバットレスと思われる境谷本谷上部のスラブ |
1時間30分位経過した所で市房山のバットレスと思われる百メート以上もあるただろうかスラブが出現、ほどほどの傾斜でフリークッションがよく効く、気持ちよく快適に高度を稼ぐ。 終盤は、幅が狭くなり徐々に水量も減り、水が切れたところで登山靴に履き替える。その後、草つきの中を少し歩いたところで、赤い道標にたどり着く、踏みあとも確認できすぐに「心見の橋」の岩に出る。 |
赤い道標 | 心見の橋 | 市房山山頂にて |
藪こぎまったくなしで、山頂へたどり着く、ラッキーでした。 山頂で短パンに着替え慎ノ口発電所の登山口へ下山、しかし、短パンで下山したため、登山口少し手前の登山道は、以前来たときのままで、全く整備されておらずカヤに覆われて登山道とは、言い難い状況で、足が傷だらけとなってしまった。これでは、この登山口からは、一般の登山者が少ないのも当然である。 最後慎ノ口発電所から入山口の鳶の元バス停跡まで約3.6キロあまりの車道を炎天下の中、車の回収に1時間弱を要し一苦労でした。 |
参考資料:吉川 満著 「九州の沢源流」 平成21年10月現在の情報 西米良村ホームページに「村営バスやまびこ時刻表[PDF]」があります。上米良線下り(村所駅→米良山之口)の時刻表内で、 【土日D、市房登山口13:37 →米良山之口13:43】 市房登山口13時37分のバスに間に合うように下山できれば車の回収がかなり楽になります。 【米良山之口から鳶の元バス停跡までは約1.6キロ】 |
Reported by Y. S Okamura
Photo presented by S.Okamura & K. Akazawa