今年は、中ア、南ア2パーティで出かけることになった。天気情報では、天候は最悪のパターンで、29日に低気圧通過、冬型気圧配置となり、30日〜1日頃まで山間部は雪、所によっては平野部でも積雪!とのことだ。日本海に近い北アは仕方ないとしても、内陸部から太平洋側に近い中ア、南アはいくらか和らぐかもしれない・・・と淡い期待を持って、29日夕方出発する。予定ルートは以下の通りである。 ■南アパーティ:夜叉神峠〜池山尾根〜北岳〜同ルート下降 ■中アパーティ:木曽駒高原〜麦草岳〜木曾前岳〜木曽駒ヶ岳〜宝剣岳〜檜尾岳〜檜尾尾根下降 やはり予想通りというか、天候は甘くなかった。北岳パーティは、山頂直下まで到達したが、中ア縦走パーティは麦草岳で縦走断念し下山する羽目になった。下山日の2日は天候は回復し、その週末までは好天!年明けに入山すれば・・・と悔やんでも仕方ありません。中アの場合、避難小屋を利用したためか、少しガッツが欠落?・・・すっきりするためにも雪のあるうちにリベンジしなければ! |
南アルプス:夜叉神峠〜池山尾根〜北岳
200712.30-2008.01.02
手前から池山尾根、ボーコン沢の頭、北岳 2008.01.02 |
正月山行はどこに行こうか?いつもと違って皆さん所用の為、今年は1月3日までには北九州に帰っていたい・・・・いろいろ案を練ったが、会長のアドバイスで夜叉神峠〜鷲ノ住山を経て吊尾根経由で北岳のコースに決定。 【12/29】夕方北九州を出発 【12/30】夜叉神ゲート前〜池山小屋付近C1 【12/31】池山小屋C1〜城峰〜砂払直下C2 【01/01】砂払直下C2〜吊尾根〜肩ノ小屋・北岳分岐〜C2 【01/02】砂払直下C2〜池山小屋〜夜叉神〜北九州 新谷T、新谷C、西方、高木、以上4名 |
29日今回もETCフル活用で1:00に中央高速 韮崎ICを出る コンビニで朝食を買いだし、夜叉神峠駐車場にて仮眠、空が明けてきたら、準備に取り掛かり、AM7:00ゲートをすり抜ける。トンネルの入り口は左端にあるが自転車・バイクを通さないようにだろうか幅は20cmぐらいしかない、ザックをばらし、すり抜け再度パッキング。行きのトンネルは遥かかなたに出口が見えるのでヘッデンはなくてもOK、帰りは真っ暗なのであったほうがいいでしょう。 |
トンネルを出ると眼下には奈良田〜広河原間の林道、正面には白根三山が見えてくる。ここまで30分ほどかかった。さらに30分ほどで写真右カーブミラーのところから鷲ノ住山入口があったが看板・標識等はない。 |
AM9:40 鷲ノ住山を下り河原に降り立ち、つり橋を一人づつ渡る。上の林道まで赤テープを頼りに登るがザックが大きい者は難儀する箇所があります。 |
林道にでて広河原方面に30分ほど歩けば、あるき沢橋バス停が登山口だ。 |
14:30 3時間30分の登りを終え、15分ほど雪原を歩けばひっそりとたたずむ池山小屋が見えてきた。中をのぞけば、テントが2張り、ドアが壊れているのでとても寒い。外にテントを張ることにした。今日・明日と天候はよくなさそうだ、明日はどうしようか・・・行動時間7時間30分 |
池山御池横の快適な幕営地 | ベースを移動! |
31日朝、起きては見るが天候はいまいち、このままアタックしても途中撤退は必至、ボーコン沢の頭、直下までベースを持ち上げることにし、テントを撤収。 城峰から西に折れ、鞍部を通過、再度急登をひとのぼり、ポコの樹林帯にいいテンバがありました。今日は4時間のボッカでした。 |
1/1元旦、AM6:20ライトをつけて出発するが昨日の降雪でトレースがなくなっていた。7:00樹林帯をぬけるが雪が多いのでわかんを装着 |
11:00八本歯ノ頭付近が見えてきたところでワカンからアイゼンにチェンジ。12:00をリミットにしていたが13:00のリミットに変更し前進する。 |
八本歯ノコル11:45通過 |
北岳西面をトラバースし肩ン小屋への分岐、北岳山頂直下で13:00。やむなく撤退し、テントに到着したのは日暮ぎりぎりでした。行動時間10時間。 |
1/2は晴天の中下山、池山の御池はやさしく見送っているようでした。次回、晴れた冬の北岳に来ましょうね! |
Reported by Y.Takaki
Photo presented by T.Shintani & Y.Takaki
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中央アルプス:木曽駒高原〜福島Bコース〜麦草岳
200712.30-2008.01.02
一昨年は、上松道から木曾駒ヶ岳・宝剣岳へ登頂した。 今年は、風越山〜三ノ沢岳経由宝剣岳を計画したが、年末寒波の予報!ふみ跡程度の夏道あるか無いか?のルートは踏破不可能!と判断、ルートを比較的組みやすい夏道のあるルートに変更する。 どうせ行くなら、未知のルートを取り入れよう!ということで冬季初めての麦草岳〜牙岩〜木曾前岳を組み込むことにした・・・しかし、そう思い通りには行かない。結果は、多量の積雪に阻まれ中退する羽目になったのである・・・・。 |
大晦日、元旦の二晩お世話になった7合目避難小屋(冬山では、五つ星クラス!) |
【12/30】 JR原野駅車デポ(08:30)=JR木曾福島駅出発(08:55)〜木曽駒高原スキー場(09:30)〜幸ノ川渡渉(10:30)〜4合目(11:00)〜4合半(12:30)〜5合目(14:20)〜テント設営(15:00) 【12/31】 5合目幕営地出発(09:15)〜6合目(10:05)〜7合目避難小屋(12:00) 【01/01】 停滞&偵察:避難小屋出発(11:10)〜標高:2650m駒石手前(13:15)〜避難小屋(13:35) 【01/02】 避難小屋出発(06:10)〜幸ノ川渡渉(07:55)〜スキー場(08:45)=JR原野駅(09:10) 岡村S、伊津見、久保、以上3名 |
JR木曾福島駅周辺の駐車場は少し割高感のある、1,000円/日・・・・観光地だから仕方ないか。木曽駒高原に出るには木曽福島の隣駅である原野駅を通る。原野駅は無人駅で、駐車場とか無い!と木曽福島駅の駅員に言われたが・・・いってみたら駅舎隣に駐車場らしき広場がある・・・・なんだ、あるじゃないの。 そのようなわけでJR原野駅横の空き地を利用させていただくことにした。 タクシーを確実に拾うためJRで木曽福島に戻る。駅前で客待ちのタクシーに乗ろうとしたら、前ぶれも無く雪が降り始めた。昨夜は中央道SAで仮眠したが、高速から見る限り雪は全く無し、R19に入ってからも残雪すらなかった・・・・しかし期待通り? 予報ぴったりの降雪となる。 |
JR原野駅は、全く雪無しで穏やかな田舎のたたずまい・・・しかし木曾福島でタクシーに乗り込むやいなや降り始める! |
車は、R19から右折し木曽駒高原に向かう。ほんの30分前は白いもの全く無かったのに、今見る風景はすっかり雪国である。高度を上げるにつれ、雪の量は増えるが、つもり積もったという感じではなく今し方の雪のようである。20分ほどでスキー場に到着。車の入るところまで行ってもらう。降りたのは、標高:1350mあたりである。スキー場は2年ほど前から休業状態らしく、人間の管理を失った廃屋然としている。人工降雪機は設置されていないうえに、今は滑降コースの積雪は非常に少なくオープンしようにも出来ないだろう。 支度して出発。しばらくは幸の川左岸の林道を行く。すこし登ればで林道が左に分岐する。 『沢登り口』の表示があり、細尾沢、玉ノ窪沢方面に入る場合は左を辿るが、今回は直進する。このあたりから林道は雪道となる。うっすらトレールが見える・・・先行パーティ?かな。 |
廃屋然としたレストハウスを通過、少しで分岐、今回は沢登りでないので直進する |
1時間ほどのアルバイトで幸の川渡渉ポイントに出る。堰堤のすぐ上流で対岸に赤布がある。流れは氷結していないので水筒に水を汲む・・・・少しでも燃料、節約しましょう。 取り付きからしばらくはジグザグの登りである。積雪は、脛の半ばくらいでワカン履くほどのことは無い。先程から続いていたトレール?は夏道をはずれ樹林帯に消えてしまった。 【写真右:4合目の標識。ここまではスムーズ】 【写真左:ワカン装着】 30分ほどで4合目の標識、この程度なら今日中に7合目までいけそうだ・・・・楽勝!と思いきや・・・風が出てくる、積雪が深くなる、気温が下がる・・・・正月の山だから当たり前の話であるが、少しまじめになり手袋追加、下着追加、ワカン装着、等々、と対応し以降真剣なラッセルが始まる。 |
林道を伝い取付(正面堰堤上流)に向かう | 【上:渡渉点で水補給】 【下:ジグザグの登りで始まる】 |
急坂のラッセルに精出す。1.5時間ほど順繰りで黙々と進めば少し傾斜が緩み、少し広場風のところに出る。見ると正面大木に標識がある・・・・やっと、5合目か、と思ったら、まだ4合半!ではないか。時刻はすでに、12時半近い。これから高度が上がれば積雪量は増すだろうから、これまで以上に時間がかかる・・・・・どうやら今日の7合目泊まりはなさそうである。 【写真左:力水(4合半)の標識】 4合目半には夏場、『力水』が出ており一息入れるところである。勿論、冬場は全部雪の下だが・・・・小休止し、ワカン締め直し、気分を入れ替えて5合目に向けて腰を上げる。 登行ルートは、不鮮明な部分が処々にあるが、目を凝らせば適度に赤布があり、概ね夏道沿いに登ることが出来る。 |
深雪、急坂のラッセルはシンドイ!時たまクラストした所もあるが、全体的には苦しいアルバイトが続く |
黙々とラッセルを続ける・・・行けども行けども急坂は続く。積雪が増せば、膝で押し付けたり手で掻き分けながら進まねばならず、時間がかかる割には距離は延びない・・・・・・・・亀さんのような辛苦のラッセルを続けること1時間50分でようやく5合目の標識を確認する。 時刻は、2時20分過ぎである。先程から風が強くなり、気温は更に下がり粉雪が舞い続けている・・・・今日中に7合目まではいるのは無理だし、この天候じゃ明日は7合泊まりになりそうだ。いい場所あったら無理せず泊まろうぜ! もうひとふん張りだ!気合を入れて立ち上がり、5合目の標識を見送り一段あがる・・・と、直ぐそこに格好の平地があるではないか! 今日はここで泊まり!もうウンザリしていたので決断は早い。さっさと整地し、4人用ダンロップを張る。 風はうなり雪は舞うが、テントの中は天国である・・・・・持ち上げたアルコールで小宴会スタート! |
31日。昨夜は結構荒れたが積雪はさほどではなかったようだ。今日の行程について打ち合わせる。 昨日の実績から判断するに7合目までは、3時間くらいだろう。7合目から先に進むとすれば、麦草岳経由で牙岩、木曽前岳と行かねばならない。時間的には、木曽前岳までいけず麦草岳〜木曽前岳間で泊まることになるが、この間は痩せた岩稜で適当なテンバはなさそうだ・・・・しかも荒天だし・・・・・やはり7合目泊まりが無難な選択だろう。 従い、行動時間の短い今日は遅めの9時過ぎに出発することにする。 |
5合目から6合目までは比較的楽であった。写真左上:6合目の標識 |
5合目から上部は傾斜が次第に緩やかになる。比較的早い時間に6合目通過、7合目に向かう。積雪は深いものの、傾斜が緩やかになったので少しスピードアップする。赤布やテープを追いかけてほとんど傾斜のなくなった平地を行けば、岩塔に出る。ここは夏道どおり右から巻き気味に塔上を越える。天候がよければ眺めのいいところだが、今日は全く眺望無し。 少し進めば尾根が痩せてくる。夏道のある尾根左を巻くようにして通過、尾根上に出るとしばらくで、避難小屋案内の表示がある。尾根上の展望のいいピークを右から巻くと7合目避難小屋(標高:2420m)の前に出た。 さ〜て、小屋は開いているかな?(本音は・・・開いていてくれよ!)積雪で半分以上埋まったアルミサッシのドアをゆするが、びくともしない。やはり閉鎖されているのか? 念のためピッケルでドアの端をこじるようにしたら難なく5mmほどの隙間が出来た・・・・・開いていた!よかったねえ。 早速、ドアの前を綺麗に除雪し入居。トイレも雪に埋没しかかっていたので除雪する。 |
平坦なった樹林帯は、雪の吹き溜まりが多く難渋するが・・・・・やがて7合目避難小屋前に出る |
この避難小屋は、小粒ながら薪ストーブのある居間と二層の居室(寝室)があり、清潔で快適!冬山に限定すればまさしく五つ星クラス!寒風が吹きすさび雪が舞う中での幕営とは、雲泥の差がある・・・・・・しかしながらこの快適さ・心地よさは、外に出るのを億劫にさせる”罠”でもあるのです。 ともあれ我々3名は、この快適な小屋で2007年の大晦日と2008年元旦の夜をすごさせていただくことになりました・・・つまりこの小屋で年越しをしたということです・・・・小屋の維持・管理されている行政・担当の方々に心から感謝します。有難うございます。 |
薪ストーブを囲んでくつろぎタイムです。濡れたものもすっかり乾き、快適そのものなのですが・・・・ |
相変わらず外は風雪が続く。快適さにすっかりなじんだ体は精神まですこし軟弱にしてしまったようで・・・・2008年元旦は基本的に停滞、2日からの好天に期待をつなぐことにする。しかし、ゴロゴロしていても退屈なので、昼頃から麦草岳の途中までトレースを付けるつもりで偵察に出ることにする。勿論、空荷! 11時10分、小屋出発・・・・いきなり膝上までの積雪である。ここはAコースとの分岐になるので標識があるはずだ。目ぼしい所で雪をかくと標識が頭を出す。 【写真右:久しぶりに出動です!】 【写真左:掘り起こした標識】 マップによると麦草岳へは、夏道で40分くらいである。勿論、トレースなんぞ無いからかなり時間かかるだろうが行ける所まで行くことにする。尾根に取り付くやいなやラッセルである。ルートは、所々にある赤布を見失わねば概ね夏道に従っていける. 雪はやみ周囲が明るい・・・・ひょっとしたら早めに好天に向かうのかもしれない。そうなるとこの偵察が役に立ちそうだ。 ・・・・・しかし登るほどに積雪はまし、空荷なのに3人で順繰り交代してもなかなか進まない・・・・・・2時間ほど格闘してようやく開けた尾根に出た。 この時、わずかな間だが、日が射し木曽駒ヶ岳方面の稜線が見えたが、直ぐガスに覆われ小雪がちらつきだした。結局、下山するまで再び景色を見る機会は無かった。 |
深雪に難渋するラッセル!これでザック背負ったら何時間かかることやら・・・・ |
駒石が見える所までやってきた。標高は、2620mくらいである。あと100m少々で麦草岳に出るが・・・・・ピークハントしたいとは全く思わずここらで引き返すことにする。 頭の中では・・・・40分の夏道を、空荷で3人交代のラッセルで2時間もかかった。麦草岳から木曽前岳までは標高差はさほど無いものの距離は、小屋から麦草岳よりも長い・・・・小屋を早朝でても荷があれば前岳は難しそうだ。おまけに天候は回復の兆しさえ見せない・・・・・ 明日どうするか?考えながら踵を返すが、トレースのある下り、あっという間に小屋についてしまう!たったの20分! |
駒石、麦草岳ピークはもう少し先だが、ここらで引き返すことにする |
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1月2日、下山。標高が下がると青空も望めるが、上部はガスの中である |
帰りに、フォレスパ木曽:阿寺温泉恋路の湯で汗を流す。露天風呂から中アの主脈が望める、との案内だが残念ながら今日はガスの中である。しかし、当初目標としていた独標尾根〜天狗山〜独標・蕎麦粒岳の稜線が望まれる・・・・・木曽路からいきなり盛り上がったようでなかなかの迫力である! 湯につかりつくづく思う・・・・転進しても中退した。当初計画どおり行ったら確実に中退!・・・どのあたりでギブアップしたかな? |
露天風呂にあるタイルの案内板 |
風越山〜独標尾根〜天狗山〜独標・蕎麦粒岳の稜線が望める 木曽駒ヶ岳〜三ノ沢岳は、ガスの中である |
【リベンジの予想日程】 3月末あたり雪が安定し日が長くなる頃実施。日程:2泊3日+予備日1日、計4日で計画 ●1日目:なるべく早く北九州出発。直接スキー場入り、仮眠。時間かかっても7合目避難小屋まで登る。 ●2日目:早朝発。木曽駒頂上往復後、頂上小屋付近幕営 ●3日目:上松道下山。車回収、帰北 |
Reported by Y.Kubo Photo presented by S.Okamura