2007年GW:北ア剱・立山&九州脊梁 2007.05.02〜06 |
今年のGWは、北ア剣・立山2パーティ(5名×2)と九州脊梁の山縦走(5名)で、春山を愉しんだ。 剱・立山方面の第1グループは、黒部平から雄山東尾根を経て雄山に立ち、大汝山、富士ノ折立、別山を縦走し剱沢に幕営、下山は真砂沢、ハシゴ谷乗越、内蔵助平を経由して黒部ダムに戻るルートをとった。 第2グループは、室堂から剱沢に入り、別山尾根経由で剱岳を往復するルートをとった。幸い好天に恵まれ春山を存分に味わうことができたようである。次は早月尾根か、もう少し頑張って小窓尾根!目標は高めに設定しましょう。 第1グループの当初計画は、真砂尾根から三ノ窓尾根経由で剱本峰にたつ予定であったが・・・・1日目が雨でほとんど進めなかったことやパーティの力不足もあり現地判断で中退としたが・・・・・ワンパスの長いルートなので、取付の尾根を替えて再チャレンジしたいものである。 九州の藪尾根をコツコツトレースしている女性陣も予定の成果をおさめたようです。 皆さん!お疲れ様でした。 【写真左】トンギリ山 & 【写真右】剱岳 |
黒部平〜雄山東尾根〜立山縦走〜剣沢〜内蔵助平〜黒部ダム
■昨年登行した丸山中央山稜の南側に位置する雪稜:雄山東尾根が今年の目標である。中央山稜から見た東尾根はブッシュのない燻し銀のような見事な雪稜であった。のびやかにせり上がる尾根は、見る限り困難な箇所はなさそうで天候さえよければ愉しい雪稜登行になるだろう、と思われた。 天候は曇天、残念ながら立山稜線はガスの中である。堰堤を渡り、ケーブルに乗り継いで黒部平駅に到着。今回は、ここ標高:1830mが出発点である。稜線まで、およそ1200mの標高差、天候さえもてば、今日は幕営出来そうな2800m付近まで登る予定だが・・・・。 |
登行ルート概念図(2007年GW) | 写真上:堰堤から黒部川下流 写真下:黒部平で出発準備 |
展望広場に出て支度をし、08:45出発、少し日も差しはじめ何とか行けそうな具合になってきた。ロープウェイのケーブルの下を回り込んで尾根に取り付く。堅く締まってはいないが、歩きにくいほど潜るわけでもなし、広い尾根をのんびり進む。左手には、黒部平と大観望間を結ぶ立山ロープウェイのゴンドラが行き交うのが見える。少し尾根が急になる頃、にわかに天候が悪化、小雨がぱらつきだした・・・・・あれあれ、雨・・・。 どうも止みそうにない小雨で、しかも風も出てきた・・・・登行意欲が急速に萎えていく・・・・すぐ結論が出る、今日の行動ここで中止!地形図上で標高:2063mのピークのようである。割と平べったいので、ピークで幕営することにする。 |
ケーブルの下をくぐり尾根に取り付く | 立山ロープウェイ |
壁の中に大観望の駅舎が見える | 標高2000m越えた辺りで雨になる |
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モルゲンロートに染まる雄山東尾根と立山連峰 |
テント撤収して、薄紅色に染まる雪稜に足を踏み出す・・・・・日が上がると雪稜は白く輝く |
見上げる東尾根は比較的緩やかな傾斜で、少し身をよじってはいるがまっすぐ西北西に延びあがり、立山ロープウェイの「だいかんぽう」駅よりは100m程高い標高2400mあたりで南西方向に転進する。 アイゼンのよく効く締まった雪稜を眺望を愉しみながら登る。鉄塔を過ぎしばらく行けば、右手の丸山中央山稜の昨年のビバーク地が真横に見える。雪稜は痩せすぎず広すぎず登行を愉しむには丁度いい具合だ。 尾根の方向が変わるポイントで岩を左から巻くが、小さな割れ目横断しており足許が少々不安定になる。そこを過ぎれば、ブッシュも岩もない、白銀に輝く雪稜が延々と続いている。 |
ボリュームのある雪稜登行。雪は締まり快適! |
詰めのピークで尾根は方向を変える。右手に昨年のビバークポイントと内蔵助峰(2279m) |
ピーク直下は急雪壁。横断しているクレパスを越え岩塔は左から巻く |
左手に展開するタンボ平の広大な雪原。ピークを越えれば岩もブッシュもない雪稜になる |
距離感を喪失させるような、突起物のない、ただただ輝くだけの尾根! |
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いくつものピークを重ねて尾根は延び上がり、次第に岩混じりになっていくようである |
雄山〜富士ノ折立に至る東面の岩稜を右に見て淡々とした雪稜をつめる |
鋭いピーク状の岩稜を慎重に越え、更に上部がスラブ壁のピークを越えねばならない |
辿ってきた東尾根を俯瞰する。手前岩塔のあるピークは慎重に通過 |
鬼岳、獅子岳、五色ヶ原、彼方の薬師岳に至る稜線 |
龍王岳東尾根(北面、南面にルート) | ラスト!登り詰めれば稜線に出る |
10:30、稜線に出る。一の越からの登山者が大勢!テン場から、5時間強かかった。標高差::1000mだから200m/時、ちょっと遅めですねえ。稜線に出ると西風が強く、気温がグ〜ンと下がったような気がする。 【写真左】雄山神社社務所前で休憩 社務所前で大休止、以後の行程再検討する・・・・昨日実質的な停滞となり、ほぼ1日遅れ、予定のルートの場合、1日荒れると6日帰北が難しくなるので、今回は三ノ窓尾根をあきらめることにする。従い、立山主稜を縦走し剱沢にでて幕営。翌日は、真砂沢まで下降、ハシゴ谷乗越、内蔵助平経由で黒部ダムに戻ることに決定。 10:50、縦走開始。雄山神社のあるピーク(3003m)を越えて大汝山(3015m)へ向かう。稜線は西風が強く体感気温が低い。ちょっとした岩場を下れば大汝休憩所で頭だけ出して小屋は雪の中だ。風を受けてよく締まる雪面をトラバース気味に進む。左手下方には広大な室堂平が俯瞰される。小屋やホテルは昨年より雪に埋まっているように見える。やがて昨年の丸山中央山稜の終了点:富士ノ折立(2999m)。ここはピークは踏まずトラバースして真砂岳方面に250m程一気に下降する。 このトラバース気味の下降は要注意!締まった雪は氷化している。スリップすれば、ダメージは大きい! |
標高:3003m、雄山神社 | 大汝山、富士ノ折立に向かい縦走スタート! |
立山3000mの稜線。ピークは大汝山、遠くに真砂岳、別山、更に奥に剱岳が望める |
稜線より室堂平を俯瞰する。遠くに大日岳、奥大日岳 |
振り返ると雄山神社が高い | 富士ノ折立のピークを巻いて下降 |
富士ノ折立から急下降で内蔵助カールの縁にあたる台地に降り立つと次は真砂岳〜別山への緩いが長い登りが待っている。西からの強風をフードでブロックしながらひたすら歩く。すでに正午近く、テン場出発して7時間近くなり皆さんお疲れの様子・・・だが今日の泊まり場:剱沢まではあと2時間以上歩かねばならない。昨年も、富士ノ折立から別山を経て剱沢まで歩いたが・・・・剱沢は、遠かった! |
富士ノ折立から下降(写真左)、真砂岳の登りにかかる(写真右)。右手は内蔵助カール |
別山へ向かう。本日最後の登り! | 縦走してきた立山連峰を振り返る |
別山ピークを過ぎたあたりからダイレクトに剱沢へ下る |
別山尾根から剱岳を目指す『嵐』の5人パーティ:剱沢幕営地 |
5/4、風は強いがほぼ青空が広がる・・・・アタック組は早くから準備に忙しい。我々は、7時出発の予定だからのんびり朝食をとり支度をする。6時、剱に向かう嵐とさんらく会のメンバーを見送る・・・・気をつけて!みんな元気よく出発していった。 【写真右】3日目行動開始!:剱沢幕営地 6::50撤収完了。6:55、真砂沢へ向けて出発。早朝の剱沢は寒すぎず爽やかである。アイゼンの効きがよく、足取りも軽い。好きなところを適当に下るが下るほどに時たま足を取られるようになるので、出来るだけトレースを辿る。 しばらくで平蔵谷出合を通過するとすぐ源次郎尾根取付に出る。すでに急なルンゼには数人が取り付いている。更に急坂を下れば長次郎谷出合、八ツ峰取付である。ここも数パーティ登行中だ。このあたりデブリが多い。 小休止の後、真砂沢へ下降開始。デブリにつけられたトレースを追えば、やがて真砂沢ロッジの立つ段丘が見えてくる。勿論、今はロッジは雪の中、数張りのテントがあるだけだ。この段丘を下ると右手急峻な尾根に向けてトレースがあるのでこれを伝う。 ステップがしっかり刻まれた急な雪壁を登ると尾根に出る。引き続き急な尾根を辿るとやがてトレースはトラバースするようにつけられている。雪がゆるんだらかなり嫌らしそうな斜面をトラバース、正面の尾根(真砂尾根の下部)に向かいダイレクトに登る。ここもかなり急だが、急なだけに勝負が早い。 尾根に出るとハシゴ谷乗越まで僅かである。10:00、到着。乗越で眼下に広大な内蔵助平を見ながら大休止・・・・正面には昨年取り付いた内蔵助峰から中央山稜の山並みが展開する。 |
剱沢下降、真砂沢・ハシゴ谷乗越へ向かう |
源次郎尾根取付ノルンゼ | 長次郎谷出合 |
真砂沢の段丘にはテント数張り。少し下って真砂沢から右の尾根を目指す |
真砂沢からハシゴ谷乗越へ向かう。振り返れば登るほどに八ツ峰一峰が屹立する |
ハシゴ谷乗越から内蔵助平を俯瞰する。正面は黒部丸山、遠景は赤沢岳、針ノ木岳 |
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水音が春を告げる!・・・・スノーブリッジを伝い右岸へ渡る |
遠景左は、富士ノ折立、右は、真砂岳〜真砂尾根 |
内蔵助谷を下る。下るほどに残雪はほころび、やがて夏道が顔を出す |
内蔵助平からおよそ2時間、終着の黒部ダム到着! |
黒部川から堰堤まで最後の登り | 黒々とした黒部別山 |
今回は、5日間の予定だったが、実質3日間の山行になってしまった。原因は、1日目が雨で停滞したことが大きいが、せっかくの”剱”、あと1日ぐらいは、愉しんでよかったのかもしれない。 しかし、八ツ峰〜剱岳、源次郎尾根〜剱岳と2年続きで登行しており、剱沢起点で1日で遊べそうな興味を引くところはなさそう?・・・勿論、今の”嵐”のスタンスにたった場合の話ですが・・・・そう考えると内蔵助平経由下山でヨカッタかな・・・・・ 来年は、もう少しバリエーションに富む計画にして休暇を無駄なく愉しみましょう。乞う、ご期待! ■参加者:新、岡村S、伊津見、赤澤、久保、以上5名 |
室堂〜剣沢〜剣岳(往復)〜別山・真砂岳〜室堂
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九州:脊梁の山
■参加者■
◆04/29 【プレ脊梁】祖母:緩木山〜越敷岳: 川中、田島、鉄井、他1名
◆05/03〜04 向坂山〜三方山、小川山〜トンギリ山〜黒峰: 川中、加藤、田村、鉄井、他2名
【プレ脊梁】祖母:緩木山〜越敷岳
【三方山、向坂山から小川岳、更にトンギリ山から黒峰】
5/3、紫川インター5:00発。御船インター、清和村、五ヶ瀬スキー場。スキー場に行く手前に黒峰の登山口があるので見に行く。鞍岡の集落に黒峰、トンギリの標識あり。坂道をのばって行く。途中まで舗装されたいるが、途中から悪路になり、普通車では無理かと思い、明日はここまで歩きと覚悟する。カシバル峠まで車を入れる。舗装されていないが、何とか入れる。10:20出発。 向坂山11:05着。ここから三方山に行く。登山口には車がたくさんあったが、こちらに向かう人誰もいない。枯れ木が多く、尾根が広いので間違いそうだ。テープを見失わないようにしないと・・・時々道を間違った。途中6日間山に入っていると言う人にあう。内大臣林道から椎矢峠まで道が通れるようになっているそうだ。 【写真右】三方山(標高:1578m)山頂 三方山13:50着。アケボノつつじのような木があるがまだ蕾み硬い。狭い山頂。向坂からは下りが多かったので帰りはきつい。 向こうのほうにスキー場の建物が見えるがなかなかきつかった。登山口17:20.明日のために車の移動。一台はスキー場の一番奥まで上げ、一台は朝見てきた場所に移動。われわれは食事とテントの用意。 帰りがおそいので心配していると、車をうえのほうまで上げたそうだ。朝は無理のようでしたがそこをクリアーすると上のほうはところどころ舗装されいたそうだ、一番上に100台くらい止められる駐車場があるそうだ。 |
5/4、6:00出。スキー場の前に扇山の標識があるので、これを登ると稜線に出て小川岳に分かれると思いゲレンデを登ると、向坂山についた。道がない。スキー場のために山が削られていた。もう一度戻り(40分ロス)ゲレンデを下っていくとはるかかなたに標識あり。ここから従走路の始まり。6:40.スキー場5分のところに分岐あり左黒岩山、左手に行きそう。右手に進む。従走路は快適で、ササも切られ、ぶなの木もすばらしい。八千代ブナ、イチイの木、姫シャラ、夏椿など。 緩やかなのぼりで小川岳山頂着、8:10。コバイケ草がたくさんあり、なんとなく雰囲気のよいところ。緑仙峡方面に下りる。15分くらい下ると石楠花が現れる。今年は花のつきがよくないようです。 9:15黒峰と清和村の分岐。9:15.黒峰方面に進む。10:05鉄塔。トンギリ山きれいな三角形の山10:10トンキリ山頂。 |
脊梁:霧立越登行ルート概念図 |
目の前に黒峰。雨激しくなる。山頂から道があるのでそれを下ると途中から道がなくなる。よく考えると登る前に横に巻き道があった。引き返し巻きながら一の越分岐11:10.西郷隆盛の休息地の看板あり。こんな山道を逃げてきたのだーーの、手を合わせる。黒峰11:35.広い山頂。清和村に降りる道、周回の道あり。私たちは引き返し一の越から下山。下山口ちかくにキツネのカミソリ、山芍薬がたくさんあった。蕾みも硬かった。 12:00広い駐車場。車とりのため二人は車で下山。私たちは歩いて。1:10分くらい歩くと265号線鞍岡の集落へ。歩いて下山するとき、4,5回ガーブしたところに下に細い道がある。これを降りていきます。車と通れますが、注意しないと広い道をこのまま歩いてしまいます。この道はどこに行くのか?雨はどしゃ降りですが、無事車とも合流し通潤橋にある国民宿舎のお風呂で疲れを落とし、2年連続の霧立越の山行は終わりました。 |
小川岳山頂 |
トンギリ山 | トンギリ山山頂 |
黒峰山頂 |