初冬の富士山(富士宮口)  2006.11.22-23 & 2006.11.25-26
 
 今年は、昨年より初雪・初冠雪が早いようである。しかし、ここ数年、早く寒さが来る年は、意外と暖冬の年が多い・・・が今冬はどうだろうか。ともかく今年も雪山の季節がやってきたことには間違いない。

 今年も、例年どおり初冬の富士山に出かけることにする。
参加者の諸般の都合により、2グループに分かれて出かけることになった。

 ウェブ情報では、6合目辺りから積雪があるようだ。今回は頂稜宿泊が目的だから、登山ルートは九州からも近く、登山口から頂稜まで最短距離の富士宮登山道とする。


●参加者:
【Aグループ】 高木、赤澤、勝野(※)、坂根(※)、久保、以上5名 (※:さんらく会会員)

【Bグループ】 新、岡村M、毛利、岡村S、以上4名

●日程&コースタイム:
【Aグループ】 11/21、20:00北九州発。11/22、登山口08:25〜頂稜15:30。11/23、頂稜07:30〜登山口09:30-45

【Bグループ】 11/24、20:00北九州発。11/22、登山口08:30〜頂稜15:30〜16:00。
11/23、頂稜06:00〜登山口08:30


【写真右:富士川SAより朝焼けの富士(11.22)】

●参考記録
残雪季の富士山:富士宮口〜剣ヶ峰 2004.05.01〜02 

【A:2006.11.22-23】

久しぶりに平日の高速を走るがやたらトラックが多い。SA、PAもトラックだらけ。いつも走る休日の前日とは大違いである。特に不満があるわけじゃないが、高速で前方をトラックに並走されると少々ストレスがたまる・・・・
 
 9時間弱で富士川SAに到着。少し仮眠後、24時間営業のレストランで朝食。天候は、快晴!朝焼けの富士が神々しい。


 富士IC〜西富士道路経由で、5合目登山口へ向う。チェーン規制の標識があったが、今朝はさほど気温は低くなく、路面はほとんど乾いている。

 去り行く晩秋の景色を愉しみながら一走りすれば殺伐とした標高2400mの登山口に至る。平日のせいかさすがに駐車車両は少ない。レストハウスは営業している。

 見上げると、すっかり晴れた青空をバックに彼方に頂稜が見える。5合目は雪はないが、6合目辺りからまばゆい雪面が頂稜まで続いている。


 近いようでもあるが・・・遠いようにも思える・・・・気持ちの問題かな。共同装備を分担、支度をし、08:25出発する。

【右:登山口にある案内図の写し。ガイドブックの標高と少し違いがあります】



 砂礫の登山道を少し登れば、新6合目の小屋に至るが、小屋には行かずジグザグにつけられたブルトーザー道をゆっくり登る。調子を整えるのには丁度いい具合の傾斜である。しばらくで雪が出てくる。のんびり行くが次第に傾斜が強くなる。やがて雪面はアイス状になり、キックステップでぎりぎりの急坂を越えたところで、しっかりしたステップのある登山道に移る。あとは、合目毎にある山小屋を区切りにしながらの単純労働、トレースを辿るだけだ。

新7合目(2780m)を越えると、右手の宝永火口がしだいに低くなってくる。この辺りまで来ると積雪も増えすっかり雪山の様相。2900m通過、パワー十分の坂根さんは、ここから自己の最高到達高度を更新しつづける。全員、快調な足取りで7合目の標識(標高:3010m)を通過、すぐ上にある小屋(標高:3030m)前で休憩。

しばらくは砂礫のザレだが、6合目くらいから雪道になる。紺碧の空と真っ白な雪が眩しい
雲上散歩!・・・・・雲海が広がると高山の雰囲気!
ブルトーザー道から登山道へ合流、あとはトレースを素直に辿る

ゆっくりしたペースで7合目小屋を目指す。3人目は途中で追いついた登山者

 7合目小屋(標高:3030m)到着。時刻は、10:45、600mを2.3時間だから割と速いペースである。ここまでは皆さん、余裕、ヨユウ!・・・だが富士は、残り700mで真価を発揮する。登山口辺りは小春日和であったが、さすがに3000mを越えると冷えてきた。小休止、腹ごしらえをして次の目標、8合目(3250m)へ向けて腰をあげる。

 代わり映えのしない単調な雪面、もくもくと歩を進める。8合目は、すぐそこのように見えるが・・・。ほんの少しづつだが次第に空気が薄くなってくるのを実感する。我慢の登行で、8合目(3250m)の小屋前にはい上がる・・・ふ〜っ! 夜行の疲れもあるのでしょう、ヤレヤレ、ようやく3200mを越えた。時刻は、11:50、まだペースは落ちていない。勝野さんは、ここから最高到達高度を更新することになる。

(7合目) 春山のようでなかなか快適ですネエ・・・余裕、ヨユウ! 次の目標は、8合目
宝永火口を俯瞰できる高度まできた。
そろそろ夜行疲れが出てくる頃だ
 フ〜ッ!・・・アレッ、ちょっとキツソウですね〜、と
涼しげな顔の坂根さん

 8合目:3200mを越えたら急に気温が下がったような気がする。風も出てきたのでブレーカーをはおる。少し空腹を満たし、9合目を目指してスタート! 12:00。
この辺りから雪も締まってくるし、斜度もいくぶんきつくなる、おまけに気温は下がり風も強くなる・・・・対する我々は、お疲れ度が増すばかり!

 しかしさほどペースは落ちず、12:55には、9合目(標高:3460m)に到着する。風が舞っており寒い、寒い!

9合目を目指す。風が強くなり少々寒くなってきたのでウインドブレーカー着用
9合目小屋目前。頂稜がすぐ近くに見える 3450mの9合目。あと200m少々、
頑張りマセウ!


【写真右:9合目から9合5勺へ向けスタート】

 9合目スタート、すぐ上の鳥居を通過すると堅雪になる。アイゼン履けば問題はない・・・・が、まだキックステップで行けそうだ。丁寧に蹴りこみながら歩を進める。およそ1時間後の14:10、9合5勺(3590m)着。風が舞う・・・9合目より更に気温が低い・・・おお!寒!寒!

 9合5勺から見上げると本日の終点はすぐ其処!僅か100mそこそこ、雪壁からジグザグを登れば頂稜だ。

 下山してきた登山者が、最終ラウンドの雪壁を指さして言うには・・・・あの辺り風が舞っておりフイを突かれると危ない!グラリときますよ・・・ありがとう御座います。我々も、ここが核心部と思い、足かせのアイゼンを履くことにする。

 アイゼンを履いた足は重たく、空気はすこし希薄・・・冷たい風が舞う9合5勺からの僅かの登行が一番きつい!
僅か100mほどの比高に1時間もかかって、ようやく15:30、頂稜に到着!お疲れ様です。

 早速、正面にある本宮浅間大社奥宮に安全祈願。できたらこれ以上風が強くならねばいいが・・・・・御願いします!
風が強く寒くてしょうがないので早速テント設営、とにかく中に飛び込み暖を取る。一息ついたら・・・あとはお決まりのパタ〜ン・・・ビールに始まり、ワインやら焼酎やらで、3700mの夜は暮れていきました。

心配した風は、夜が更けるに伴いしだいにおさまってきた。どうやら明朝の荒天はなさそうだ!安心して眠りにつく。

左手奥の台地が、9合5勺。正面奥は頂稜である。2人の下山者が見える
石積を登れば9合5勺、ここでアイゼン着用。しっかりクラストした雪壁に取り付く・・・突風に注意!
バーンした登路をジグザグに登れば、最後の鳥居。これをくぐれば頂稜である。
登りきった正面にある本宮浅間大社奥宮に安全祈願する・・・・風がこれ以上強くなりませぬように!

 23日の予報は、曇りのち雨だったが・・・・御願いが届いたのか、曇天・無風の朝を迎える。悪天なら目が覚め次第立ち去るつもりだったが、実に静かだし今日は下山するだけだから6時過ぎまでシュラフの中。
周囲が明るくなって、起き出し朝食抜きで撤収にかかる。

 07:30、下山開始。アイゼン着用。9合目まではスリップに注意が必要。9合目を過ぎれば、あとは適当に下るだけだ。09:30-45にかけ全員登山口に下山する。

 

下山も9合目まではスリップ等に注意!あとはダラダラと下るだけである
遥か彼方に伊豆半島
中央に見えるのは愛鷹山かな
富士山スカイライン:
西臼塚駐車場からの富士(06.11.23)


 今回は、まずまずの天候にめぐまれ予定通りの登行になったと思う。”男性”の参加者の皆さん、お疲れ様でした!・・・・・??紅一点の坂根さんは、そんなに”お疲れじゃない”?・・・・・実は、本山行では、文句なしに最強!でした。2400mも3700mも体調変化無く”快調”なんですから・・・・・末恐ろしい、というか末楽しみ!な岳人です・・・頑張ってくださいネ。又、お会いしましょう!

【Reported by Y.Kubo  Photo presented by M.Katsuno, A.Sakane & K.Akazawa】

★温泉情報★

●温泉:天母の湯。下山する時は看板がないのでわかりにくい?しかしなかなかいい湯です●





【B:2006.11.25-26】

【行動概要】
 24日(金曜日)仕事終了後、メンバーと待ち合せ北九州市を20時過ぎ出発。富士IC下車後、コンビニに25日6時到着、食料購入後軽く朝食を取り、富士宮口五合目登山口到着。830分出発、軽い風程度の好条件のなか各メンバーマイペースで山頂を目指す。

先発1530分頃に山頂に到着、各メンバー少し遅れて山頂に到着。日が落ちてからぐっと気温が下がったが夜景が良く見えた、20時頃就寝。

25日4時起床、山頂付近小雪、早朝変則的な突風でテントのホール破損。6時出発、九合半の小屋まで下がると風の具合もかなりおさまる。昨夜から多少積雪したようであった。830分過ぎ下山各メンバー随時到着。帰りに風呂に入り11時出発北九州に21時過ぎに到着。

【山行行程】
往路(北九州〜登山口):10時間、登行:7時間、下山:2.5時間、復路(登山口〜北九州):11時間



【Report & Photo presented by S.Okamura】

続けて御覧ください・・・・→写真集:2006.11.25-26 富士山