四国石鎚山系:雪瀑谷〜石鎚山 & 堂ガ森〜ニノ森〜石鎚山 2005.10.08-09 |
■今回は、前回の赤石山系山行の続編、そして先日実施した秋山(剣岳)の第二段でもある。今回も、縦走組+沢登組の共同企画で、縦走組は『堂ガ森から石鎚山』を、沢組は、『雪瀑谷から石鎚山』を目指し、9日午前中に弥山で合流の計画とした。 尚、雪瀑谷は、20年前に遡行した経験あるが・・・結果的には記憶にある箇所は僅かであった。 |
■参加者:【縦走組:川中、鉄井の2名】、【沢登組:新、瀬川、速水、赤澤、久保の5名】 |
■アクセス:いつもは、防予汽船(柳井〜三津浜)を利用するが、今回は新が別府在住であることから国道九四フェリー(佐賀関〜三崎)を利用した。航海時間は、前者が2時間25分に対し後者は、1時間10分である。 ■参考資料:日本登山体系 10 【関西・中国・四国・九州の山】 10/07:19:00、北九州発、ぎりぎり佐賀関22:00発のフェリーに間に合う。三崎から197号で大洲へ、そして大洲から松山自動車道にはいる。 しばらくで内子PA、今日はここで仮眠をとる。1時半過ぎだから4時間ほど仮眠がとれそうだ。夜間は交通量が少ない、と思っていたが意外や意外、連休のせいもあってPAは結構にぎやかである。 |
6時前には出発する。川内ICを降り、一路、縦走組の起点、保井野に急ぐ。桜3里を過ぎ落合から右折、山道に入る。天候は、曇天で時々小雨、残念だが、今日は快適な天候は望めそうにない。本降りにさえならなければいいけどなあ・・・7:20頃林道の終点に近い登山口に到着。 |
秋雨の堂ガ森から石鎚山! |
10/08:保井野の堂ガ森登山口に7:20頃到着。天候は今は曇りだが、雨の予感いっぱい!ここにはバイオのトイレ、駐車場がある。外観のしっかりした建物があるが、あまり中に入りたくないような感じである。整備すれば休憩等によいのでは・・と思う。 沢登組の5人は、すぐ走り去った。支度していると雨が降り出す・・・・本格的な雨になる。かまわず8時出発。登山道はよく整備されている。九十九折に、緩やかなのぼりで樹林帯の中を登っていく。 |
九十九折が終わると石楠花尾根に出る。花の時期はさぞかし綺麗でしょう。やがて水場に出る。この縦走路で唯一の水場。ここから少し急坂。それを過ぎると笹道に変わり展望が開け、梅が市からの道と合流。11:15、これから展望がよくなるはずだが雨のため何も見えず。 登山道は、笹が刈ってあるため迷うような所はない。少し登っていくと堂ガ森山頂らしきところに出る。ここから少し下ると壊れかけた小屋、その先にテント場がある。結果的には、石鎚山までテント場はここしかなかった。 |
二ノ森山頂。1張ならOK | 小雨に煙る紅葉。なかなか風情があります |
穏やかな登下降で二ノ森に到着。14:15、ここに1〜2人用のテントは張れそうだ。15時になったら泊まろうと思うが登山道は山腹を巻くようにつけられており、張れそうな場所はない。稜線の南側、北側と変わりながら歩く。 北斜面は紅葉していた。岩が出てきたので、西ノ冠岳あたりだろうと思いながら、テント場をさがすが・・・・そのうちに面河からの登山道に合流した。ここまでくれば、石鎚山は直ぐなので頑張ってテント場まで頑張る。 |
三の鎖の小屋に出た。ここで成就社からの道と合流する。時刻は、16:15。成就社への登山道を少し下ったところに空き地があったのでそこで幕営する。 |
10/09:8:20、出発。待ち合わせの山頂(弥山)に着いたのが、8:40。山頂はすごい人だかりである。昨日歩いた道がよく見える。お天気だったらどんなに景色がよかったでしょうか! この縦走路は上り下りが少なく、危険箇所もなく人に会うこともないとてもいい縦走路だと思う。しかし水場、テント場がない。山頂付近も水場なし。コップ1杯を50円で売っていた。簡単な食べ物、飲み物あり。 沢登組とは、10:00頃合流の予定だが、なかなか現れない・・・・・。 |
【Reported by Y.Tetsui & Photo by Y.Kawanaka】 |
石鎚山北面の紅葉 | 今日は登山者が多い | 弥山山頂にて |
秋霖の雪瀑谷から石鎚山! |
10/08:保井野で、縦走組2人をおろし石鎚山登山口西の川方面に向かう。河口で右折、広い道路を数分で虎杖、ここで加茂川を渡る・・・と、なんと通行止め! ええっ!そんな!・・・ホントに通れないの?丁度通りかかった作業員に聞くと・・・・林道崩壊で通行できません! |
傘さしてちょっと歩いてみると・・・本当に林道がそっくり崩壊して、河原から足場をくみ上げ、足場板で通行できるようになっている。これじゃしょうがないねえ。でもここだけでこの先は多分大丈夫!でしょう。面河への転進も考えたが、折角のことだ、ここから歩いて当初予定通り雪瀑谷に行くことにする。 |
支度をしていると雨が強くなってきた。雨の中、8:30出発する。足場板の仮設橋を渡り、林道を進む。諏訪神社を過ぎるあたりから、時々小雨となる。老之川方面に入る。しばらく歩いて、老之川谷が近づくあたりで谷に降りる。雨はすっかり上がり、時折日が差すが、この晴れ間はいくらも持たなかった・・・しばらくで曇天、そして小雨へと変わってしまう。今日は、天候が安定しないようだが、本降りにさえならなければいい。 |
10:00、支度を整えスタート。感じだが水量が多そうだ。初芽成谷遡行の時より多い? |
雨の中、出発 | |
無惨にも林道崩壊! | |
取付。今回はこの5名 |
しばらくは大岩がゴロゴロしており、岩の間を縫ったり越えたりしながら行く。こういう所は急がない。急ぐと疲れます。滝を登るよりはきついですからネ。しばらく行くと、10mの滝。このあたりから両岸が迫ってくる。10mは右から巻く。小さく巻いて谷に降りる。両岸が立ってくると水路が狭くなり水流に勢いが増したように見える。なるべく巻かないようにしたいが・・多分、水量が少なければ、水流に沿っていける箇所がグ〜ンと増えるだろうと思う。 6m滝も右から巻いて越え、易しい斜滝は左から越えていけば、約1時間で二俣に出る。左は、初芽成谷でいきなり暗いゴルジュになる。ここは、2001年に大勢で遡行した経験あり。右が雪瀑谷で、7mの斜滝で出合う。 |
取付からはしばらく大岩ゴロゴロの開けた明るい谷歩き |
2段目は右から巻く | 早めに谷へ戻る | ここも右巻き |
ちょっとあるけど・・・・ジャンプ! | 易しい、優しい斜滝、左から越える |
二俣。左俣はゴルジュで始まる初芽成谷、右俣が雪瀑谷。 |
二俣で小休止。ここは標高500mを少し越えた所、地形図ではここから1000mあたりまで等高線が詰まっており、遡行図でも滝が連続しているようだ。11:00、出合の7mに取り付く。先が見えないのでザイルを出す。滝頭に出るところは水流が強く右壁に抜ける。次の10mは左から巻く。一旦谷に戻るが、しばらくで連瀑帯、見上げると数段はありそうだ。右岸からまとめて巻く。ロープで谷に降りたところで小休止。時刻は12:00、以降およそ1時間おきに休憩する。 |
7mは左から右へ | 10mは右岸から巻く | 一旦谷に降りるが・・・ |
続くゴルジュの連瀑帯。左から巻く。 | 巻き道から。20mクラス? |
谷に戻る | 小休止。こまめに休む・・・次の出だしも巻くが、 |
小休止の後、行動開始。直ぐの滝は巻いたが、このあたりでゴルジュから解放される。次の1時間は、小滝、斜滝、もあるが大岩巡りが多い・・・飽き飽きするぐらい続く。天候は、基本的に雨天、時々は強くなるが、概ね小雨が続く。もうすでに全員、びしょぬれ・・湿気たっぷりの雨天だから乾きそうになく、少々不快・・・・右往左往して登り続け、第3ラウンド終了、13:00。 |
第3ラウンドは、こまめに動きまわる・・・1時間も頑張れば少しお疲れ?で当たり前。 |
次のラウンドは、滝が少しお目見え・・・・丁寧に超したり、巻いたりしていくが、数が多くどの滝が遡行図のどれに当たるのか?水量が多いと斜度のあるゴーロは滝になるし・・・遡行図のチェックにきているわけじゃなし、せいぜい愉しみましょ。ともあれ詰めていくと又、連瀑帯に出る。右から巻くと眼前に傾斜はさほどないが立派な滝、谷に戻れば行けそうな気がするが、一旦巻き出すと、気がするだけではなかなか降りない?・・・・これも巻いて戻れば右手から支流。このあたりでようやく遡行図と地形図と合致する。第4ラウンド終了、このラウンドは少し延長したため時刻は、14:30、標高は、1010-20m位である。 |
前ラウンドより滝登りが多くなる。勿論、いくつかは巻かざるを得ませんが。 |
続けて巻く。結構傾斜がある | |
20mはある立派な滝(巻き道から) 右が行けそうな気がするが・・・・ |
右から支流。ここで第4ラウンド終了 |
第5ラウンド開始、多分、本日の最終ラウンド。本日の泊まりの予定地は、30mの大滝を越した伏流地帯、標高は1000-1200mあたりで地形図でも谷の勾配が緩い。 |
上:2条15mは右より巻く 下:小滝とナメを越えると大滝 |
30mこの谷最大の滝。右岸より高巻く |
伏流地なので、石がゴロゴロ 横になれる分だけ整地する |
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右岸からの支流はハート形の流れで出合う | 何とかネグラ設営 |
乾杯する頃には薄暗くなる・・・お疲れ様です! 雨のため焚き火は中止 |
10/09:5:30過ぎ起床、雨は降っていない。ツェルト撤収してから朝食にする。快晴ではないがどうやら晴れのようだ。残りは800m弱だが、もう少し滝場があるので4時間はかかりそうだ。天候が回復したので気分一新して、7:00出発する。 しばらくは、伏流帯のゴーロが続く。しかし、下流ほど大岩ではないので歩きやすい。一旦水流がでて綺麗なナメになるが、又、なくなる。 やがて正面に人工物・・・波板を円筒形にして水路にしたものがゴーロに埋もれて転がっている。近づくと・・・予想通り林道が崩壊、無惨な姿をさらしている。高瀑から延びてきている林道のようで規模が大きい。しかし、雪瀑谷の流れには勝てなかったようだ。 |
気分一新して出発 | 一旦水流が出るが、直ぐ消失 | 崩壊した林道。 |
ゴーロを進むといくつかナメ滝が出てくる。ゆったり気分で気持ちよく遡る。次は20mの滝、これは右岸から小さく高巻く。谷に戻ると又小滝があり、越えていくとルンゼ状の20m滝に出る。ここも右岸から巻いて越えると、又小滝がいくつか続き続き、やがて顕著な二俣に出る。時刻は、8:30、標高はおよそ1400m。まだ500mある。あたりは紅葉が進んでおり秋色濃い・・・・小休止して秋を味わう。 |
気持ちのいいナメ滝が続く | 20m滝は、右岸から巻く | ルンゼ状20m滝。これも巻く |
周りはすっかり”秋”! 小滝を超えていくと二俣に出る |
あと2−3時間はかかる・・・弥山10時の待ち合わせは無理のようだ。一息いれて谷筋に戻る。小滝を超えると、ハングした20m滝、ここは左のルンゼから越える。岩が滑りやすくザイルを出す。時刻は、9:00。 この滝を越えると小滝、ルンゼ、ガレが稜線直下まで続く。このころからガスが深く立ちこめ視界が非常に悪くなる。上部が見えにくくルート選定に慎重にならざるを得ない。 ハングした小滝は左から巻くが、草付が悪い。もろく剥離しやすいためザイルを出す滝もある。次第に両岸が迫り、深いルンゼ状になってくる。その中に小滝とガレが配置されているので注意が必要だ。これまでは、源頭近くになると小滝が続き、愉しく終了する遡行が多かったが、今日は、ひょっとしたら突破できない小滝があるんじゃないか?と思うほどに険しい様相を呈している。 |
さわやかな二俣で休憩。 | 二俣付近 | ガスが立ちこめてきた。 |
ハングした20m滝。滝というより断崖? | 左ルンゼを詰め、岩を乗り越える |
左から巻く | ルンゼ中心をシャワーで | 右を越える |
V字状ルンゼの中の小さな チョックストンをつかんで登る |
ガレは壁沿いに | スレート状の岩 剥離に注意 |
スレート状の岩場を越えると小滝はなく、どうやら終了が近くなったようである。ラクを起こさぬように、抜き足、差し足、忍び足、静かに押しつけるようにしてそろりそろりとはいあがる。稜線がぼんやり視界に入る。最後は、右手ブッシュ帯に上がり、5分ほどで笹原の尾根に出る。時刻は、11:35、今日の行動時間は、およそ4時間半。昨日が、5時間半だから、計10時間かかったことになる。 |
遡行、終了です。皆さん、いい顔してるでしょ! | 笹原を滑り縦走路へ下る |
二ノ森はガスに見え隠れ、右は西ノ冠岳 | 弥山〜天狗岳を望む |
全員で天狗岳を往復する。それにしても人ばっかり!連休で、昨日が雨だったから今日に集中したんでしょう。 もう13:00をまわっているので、石鎚ロープウェイで下山することにする。下山も渋滞気味、しかし土小屋への分岐を過ぎるとガラ〜ン、となる。ほとんどの登山者が土小屋経由のようである。 成就社までの下りは木の階段が多い。飽きるくらい階段を下り続けると、最後は八丁坂の登り、我慢の登りで成就社に出る。ロープウェイ駅まで下ればあとは下界・・・・皆さん、お疲れ様でした。今日、晴れて本当によかったですね!。 |
【Reportrd by Y.KUbo & Photo by K.Akazawa】 |
人であふれんばかりの弥山 | |
弥山〜天狗岳の稜線は紅葉の盛り | 皆さん、お疲れ様でした!(天狗岳にて) |
■温泉:湯ノ谷温泉、夕食は、11号線峠の茶屋(桜3里)でした。
■帰りも国道九四フェリー。小倉着は、24時直前でした。
■会費:車1台で7人、少々窮屈ですが我慢の範囲、かなり安い金額で行けます。