伯耆大山:宝珠尾根〜三鈷峰〜大休峠 2002.02.23-24

 一週間前の予報どおりであれは気圧の谷通過で悪天!のはずでしたが、予報より早めに推移したため23日はすばらしい天候に恵まれました。しかもほとんど無風!。前回、前々回のお返しでしょう。感謝せねばなりません。24日は小雪〜ミゾレ模様でいつもの冬の大山の天候、これが普通。冬の大山は天候も含め変化に富んだ山行出来ますよ!。(本音は晴れてほしいけど。)
 
 新さんに無理してもらい前夜発で出発(小倉駅発20:17)。一路、庄原〜183号線経由で大山寺下山キャンプ場駐車場へ。1:30ごろ到着だから前回とほぼ同じ時間かかった。ビール1杯飲んで就寝、目覚めると待望の晴天!. 夏道の彼方に白く輝く尾根が伸びているのが見える。登山届を出し駐車場出発が7:47、予定通り大神山神社の裏手から元谷大堰堤につながる林道に上がり、そのまま沢伝いに下宝珠越を目指す。早朝で雪がしまり夏よりあるきやすい。下宝珠越着8:55。

 風もほとんどない葉のおちたぶな林の尾根筋を行く。さわやかな気分で尾根を詰めていくと小潅木帯になり尾根も痩せてくる。小さな登下降を繰り返しながら次第に標高をあげていくと右手に北壁の大パノラマが開けてくる。真近でみる大屏風岩は迫力満点!。やがて上宝珠越に到着。

宝珠尾根を行く 中宝珠あたり 上宝珠からユートピアへ

 上宝珠越の標柱から登行ルートは尾根筋を離れ剣谷上部のトラバースへと変わる。一部傾斜の強いところあり慎重に通過すればやがてユートピア小屋に達する。11:25小屋着。地震の後、コンクリート製の小屋から立派な木造小屋に建て替えられている。中に入るとまだ新築特有の木の香りがする、が少し狭いのが難点。昨年の秋は数人の先着者のため泊まれなかった。宿泊用ではなく緊急避難用だから仕方ないか。

 ザックを小屋にデポ、三鈷峰を往復する。無雪期は踏跡が崩壊して危険だが、冬は東面のブッシュ帯にべっとり雪がつき難なく山頂に達する。360°の展望、2週間前、彷徨った船上〜甲ヶ山〜矢筈ヶ山がくっきり見える。勿論、日本海も全て一望のもとだ。


墓場尾根上部(上宝珠より) 三鈷峰山頂にて 大屏風岩(三鈷峰から

 しばらく眺望楽しんで小屋へ戻る。12:30、目的の大休峠に向かって出発。小屋の少し上の象ヶ鼻まで登り、そこから東方に向け下降、象ヶ鼻行きを示す標柱から振子沢を右に見て左手振子山の稜線に向かう。ボリュームたっぷりの雪をまとった東壁が素晴らしい!とても標高1700m程度の低山とは思えない光景が広がっている。

 1人分のトレールが振子山ピークまで続いていた。東壁撮影のため三脚据えてねばっている写真家?にあう。東壁はこのピークか、少し下ったところが最高とのこと、たまたま大山の稜線にはガスがかかっていたが、うなずける。振子山の稜線も所々痩せている。ピークのちょっと先、野田ヶ山への下降点には赤いペナントが残置されていた。

宝珠尾根(三鈷峰から) 象ヶ鼻から振子山へ向かい下降 象ヶ鼻に続く尾根上から大山東壁

 ここから野田ヶ山までが今回の核心部である。ブッシュのまばらな雪壁を急下降する。すぐ出会う小さなコブは右をまく。次の大きなピーク(親指ピーク)も右の急な雪壁をまく。このあたりからの三鈷峰、いやいや堂々たる風格です。思わずおっー、と歓声をあげました。

 痩せた稜線に戻ると次は2m程の岩場。スタンスきめてよじ登ればほんの数mであるが、幅30cmほどの刃渡り。土の上に雪が1m程ブロック状で載っているので平均台を歩くような感じである。皆さんの意見ではここが1番気持ち悪かったそうな。更に続くやせた稜線をたどれば野田ヶ山とのコル。一登りで野田ヶ山。ここまでの稜線、所々右手に1m程の雪庇が出ているのでルート選定に注意が必要である。

振子山の稜線 振子山〜野田ヶ山 野田ヶ山への痩せた稜線

 野田ヶ山からは大山が遠望できる。彼方に白い峰を仰ぎみて思う。このルートはやっぱり逆コースがいい、フィナーレはあのナイフエッジの稜線じゃなきゃ、と。振り返れば甲ヶ山〜矢筈ヶ山がすぐ近くにある。2週間前下降した尾根もはっきりわかる。14:00、山頂から方向を東に転じ、ぶな林を下降する。積雪が深い。何度も腰までもぐる。30分ほどで傾斜は落ち避難小屋のある平原状の大休峠についた。

 天候とトレールに恵まれ早めに到着したので、その日の内に問題の矢筈ヶ山往復。見通しがきくっていいですね、前回取り違えたところすぐわかりました。ほんのちょっとの違い、でした。よく考えてみれば冬山ですから踏跡あるわけじゃなし何処下降したって、自分の位置さえ確認できれば問題は起こらないんでしょうけど。予定のルートから外れたことがミス!、ということで整理しときましょう。小屋発14:30。小屋着が16:10でした。今日もよく歩きました。避難小屋はログハウス風の立派なもの10数人の宿泊可能である。久しぶりに5つ星クラスの小屋に投宿。食事は質素でしたが、ゆったりの一夜過ごしました。

甲ヶ山〜矢筈ヶ山 野田ヶ山より大山本峰を望む 大休峠避難小屋にて

 24日は小雪まじりでガスが出て視界が悪い。7:35出発。川床へは進路を北西〜北北西にとり野田ヶ山の裾野をまくように進む。所々赤テープがあるので峠を出たらまず一つ目のテープを探すこと。見つかれば跡は問題なく進める。前半はほとんど標高差はないが沢を大きく巻き込むあたりから下がり始めるとやがて岩伏の分かれ。右に行くと香取(この前下山したところ)左にとり赤テープを追えば尾根を越えて川床へ急降下する。標高が下がってきたのでミゾレまじりになってきた。

 阿弥陀川を渡り大山寺に続く車道に上がる。川床着は9:20。2時間ほどの道のりであった。雰囲気は大平原と同じ、散策にはいいところです。
川床から大山寺までは距離約4km、大山国際スキー場や中の原スキー場を横切っていく。カラフルな老若男女が遊ぶ中、ザック背負ってもくもくあるくの何か場違いのような気もするが、とにかく1時間強歩いて下山駐車場に10:30到着、皆さん御疲れ様でした!。(Y.Kubo記)


■山行参加者:新、原田、岡村S、赤澤、久保の5名でした。
■本山行で、船上山から大休峠を経由して大山までの冬季縦走の見通しが立ちました。来冬実施したいと思います


皆さん、是非訪ねてください、東大山の山旅!自信をもってお勧めできます。

本山行のハイライト:振子山〜野田ヶ山縦走路より望む三鈷峰



今回は、神郷温泉で汗を流しました!

180号線を新見方面へ、いつもの新千屋温泉近くから花見山スキー場方面へ行くと表示あり。183号線からの方が早いかもしれません。
帰りは、新見ICに出ず東城ICの方が便利?。
■キャンプ場、バンガロー、特産物展示直売所、ゲートボール場、等がある複合施設『グリーンミュージアム』のなかにある温泉■入浴料:800円、タオル付。■循環型であるがカルキ臭はほとんどない。■利用者少ないので、のんびり出来る。■露天風呂有り。



登行ルート概念図

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