四国:剣山と三嶺の山旅 2002.07.20-21

■本年の夏山は北ア剣岳であるが、プレ夏山として四国にミニ遠征、目的地はなかなか行けなかった剣山と三嶺。物理的に行けなかったのではなく、剣山に行くぐらいなら他にもっと好い所が・・・・ということで、”そのうちに行く”ことになっていた山域である。まあ山っていうのは何処いっても後悔する事ないですね!笹に覆われたのびやかな尾根の雲上散歩を満喫してきました。フェリーで行く山はちょっぴり遠征気分で”旅”としての楽しさもあります。いかがですか!

■7月19日、19時15分頃小倉出発。柳井発22:40のフェリーに乗る予定。これを逃すと大幅に予定が狂うので念のため予約を入れとく。途中、美東SAで食事してゆっくり間に合った。フェリーで少し仮眠する。広間の枕は客が勝手に持ち帰っているようで数が少ない。マイ枕持参が賢いですよ。2時間半ほどの船旅で松山・三津浜港着が01:10.

 コンビニで買出しを済ませ一路剣山へ!松山市内を通り川内ICから松山道に入る。昨年の夏以来であるが松山道は整備が進んでおり対面通行区間が大幅に減少している。深夜とあって車両は極端に少ない。快適に飛ばして川之江JCT〜川之江東JCT経由で徳島道に入る。ここからは対面通行である。美馬ICで高速をでて一般道(438号線)を行く。


 山中を縫うようにつけられたこの道は、集落に入ると極端に狭く離合不可能になる。集落を外れると狭くなったり時に2車線になったりで、忙しい山屋さんは夜中しか走れないわ。道は葛籠(つづろう)から10以上のヘヤピンカーブを重ね標高差約800mを駆け上がり標高およそ1400mに達する。普通は車酔いしない運転手も気分が悪くなるほどのつづら折でくたびれました。ICおりて1時間ちょっと、時刻は4:10、三津浜を出発して3時間で剣山夏山登山口の見ノ越に到着。小雨がぱらついていましたが2階建駐車場の1階に入り少し寝酒を飲んで就寝?

 7月20日は、甲高く途切れそうで途切れないおばさま達(失礼!でもホントですから)の喧騒で始まる。おじさん達はまるで羊のように優しい声で応対されている。6時前には1階の駐車場のクルマという車からぞろぞろおきだして山行の準備。我々は9時起床のつもりであったがとても寝ておれない。仕方なく8時前に起床、朝食を取り8:50出発する。その頃は喧騒はおさまっていた。

 雨もやみ日がさしてきた。剣神社から登る。よく整備というか清掃された綺麗な自然林の中の登山道を行く。程よい傾斜で登りやすい。1時間も行けば標高1750mの西島駅に着く。この登山道に沿ってリフトが運転されているのでリフト終点の西島駅はハイカーで大賑わいである。ここで登山道は3つに分かれる。左2つはそのまま剣山頂に行くので、まず次郎笈を目指す我々は右のルートに入る。途中縁結びの神様である大剣神社に参拝、直下にある御神水(名水100選)をいただき緑のまぶしい登山道を行けばやがて剣山頂から三嶺に続く縦走路に飛び出す。

緑が眩しいトラバースルート ガスに包まれた次郎笈山頂(1929m) 次郎笈から剣山を目指す

 剣〜三嶺の稜線は、1600-1700m位までは樹林帯であるがそれ以上は濃い緑の笹に覆われている。背丈の低い笹は眺望を妨げず、しかも密生してるのでまるで厚手の絨毯のよう。その中を程よい幅の登山道が伸びている。さわやかな風にふかれて歩けばジロウギュウ峠。急坂一登りで次郎笈山頂。大休止とする。折りしもガスが涌き残念ながら眺望なし。あきらめて剣山へ向かう。

 急坂を下ったあたりでガスがとれ笹に覆われた緑の剣山が望めるようになった。名にあわず起伏は緩やかである。標高差150mの一登りで山頂。山頂は『平家の馬場』と呼ばれているそうでクマザサに覆われた広い高原状。リフトで簡単に登れるとあって登山者が多い。広い山頂広場はササの植生保護と復元の為索がはられ必要最小限の空間が開放されている。


 小休止して剣山東方、一ノ森を目指す。高低差のあまりない散歩道をいく。途中シコクシラベの原生林をくぐり1時間弱で到達。山頂直下には小奇麗なヒュッテがありカフェありの標識がある。周りは庭園風でのんびりしたくなるようなところだが・・・運んできたビールを一口飲んで下山開始。剣山山腹につけられた行場経由の道を行く。多少の登下降はあるが吹き出る汗、拭き拭き下降、駐車場に2時過ぎ帰着。全行程5時間半、ほぼ予定通りであった。


3人ともはじめての剣山(1955m)山頂。 剣山山頂はクマザサに覆われている 剣山の東方:一ノ森(1879m)にて


 冷たいもの少しいただいて簡単に着替え次の目的地三嶺登山口へ移動開始。祖谷川の右岸、国道439号線を名頃方面に向かって下る。久保の部落から祖谷川に架けられた橋を渡り林道に入る。林道はぐんぐん標高を上げていく。道なりにいくと蔓原(かずらはら)から上がってきた道と合する。左にとる。少し荒れ気味であるが通行に問題ない。しばらくで躄峠から派生する尾根上の天狗塚登山口に到着。ここは5−6台は駐車可能、その他登山口前後の林道にも駐車スペースはある。到着、3時半過ぎ、すぐテント設営。

 暑い夏恒例の夕立のなかでささやかな反省会を開いてくつろぐ。明日が早いので早めに横になったが、暑くてなかなか寝つかれない。夜中過ぎて気温が少し下がった頃寝付いたようである。


 7月21日:つい寝坊してしまった。そのため4時出発予定がが4時50分になってしまった。もうキャップランプがいらないくらい明るい。今日は三嶺往復、予定では行動時間9時間程度。しっかり踏まれた尾根伝いの登山道を行く。傾斜はさほどなく登りやすい。1700m位から傾斜はますがそれもわずか、2時間弱でササの覆われた躄峠にでる。

 あたり一面ササの原で眺望をさえぎるものは何もない。しばしさわやかな風に吹かれて休憩。右の天狗塚(1812m)は指呼の距離。帰り時間あれば立ち寄ることにしてはるか彼方の三嶺に向かって出発。三嶺〜イザリ峠は4kmちょっと、2時間強のウォーキングである。心地いい風と明るい朝日に気分爽快!


躄峠付近から望む天狗塚 天狗塚を背に三嶺ヘ向け快調な足取り

 所々背丈の低いブッシュ帯があるものの大部分がササの原、眺望がきくのでいつのまにか時間が過ぎてしまう。ヒュッテのあるお亀岩を通過、西熊山(1816m)を越えていけば予定通り2時間ちょっとで三嶺着。靴、靴下も脱いで大休止。山頂直下には立派な小屋がある。小屋の周辺はなだらかなササのスロープに囲まれ一夜過ごしたい雰囲気のところである。

躄峠〜三嶺間:雲上のなだらかな草原を行く散歩道

 のんびり過ごすには十分な環境であるが我々は今日中に北九州に帰らねばならない。辛いですねえサラリーマンは!仕方なく腰を上げる。来た道を引き返す。途中、お亀岩の水場で喉を潤し一登りして躄峠へ。時間がないので天狗塚の往復はあきらめ登山口へ向かってひたすら下降。13時過ぎに到着。行動時間は8時間半であった。おおむね予定通りである。この時間なら遅くとも20時台のフェリーには乗れそうである。


西熊山を越えさらに進むと三嶺が近づく 三嶺(1893m):裸足でくつろぐ 三嶺までもう少し!

 残るは食事と温泉である。帰りは蔓原(かずらはら)に出、落合の『そば道場』で、久しぶりにおいしいおそばを食べる。ついでに生ビールで乾杯!さらに『かずら橋』の『ホテルかずら橋』で入浴。さっぱりして大歩危、小歩危経由で池田に至り高速に乗る。時計を見ると18:45の便に間に合いそう。アクセル踏みっぱなしで飛ばしたところ18:35三津浜港に到着した。少しのスピード違反はしましたが、おかげで午前様にならず小倉着となった。

 ルート中、アルプスのようなお花畑はないが、ササに混じってここかしこにお花が咲いています。有名な白色の小さな花をつけるコメツツジは三嶺〜躄峠間でみられたが、咲き競うと言うほどではなかった。

剣山・三嶺でお友達になったお花たち

温泉は?
■秘湯探訪といいたいところだが悲しいかな時間がない。仕方ない、といったら失礼になるが、帰りの時間に制限され、とりあえず目に付いたかずら橋を過ぎてすぐの『ホテルかずら橋』で入浴。

■ここの露天風呂は周りを見下ろす高台にあり、ゴンドラで移動する。御湯:透明すぎて、物足りない?。
■入湯料:@1000円


参加者は?
日高、赤澤、久保の3名でした。
ホテル本館、
露天風呂は頭上の木立の中
ゴンドラで行く露天風呂